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センスの良いインディロックバンドの情報と旅先の情報を発信

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DAVIS KELLER GROUP@戦国大統領 part1


もう7年くらい前になるんだけど、大阪にTHE HOWLSというハードコア・リヴァプールサウンドのバンドがいた。
タイトなスーツを着用し、髪型も顔つきも60年代風。ビンテージもののギターを持ち、まだ髭生やしてないビートルズとかホリーズとかアニマルズとかに感化されたような楽曲だったり、演奏アクションをしていた。
それ相当の演奏力があるため、難波MELE(当時は難波ロックライダー)で大物アーティストの前座を務めたり、その時代に大人気だったガレージロックオールナイトイベント『HOUSE ROCKIN'』に複数回出演したりとかなりの高待遇をされていたのだ。
当時ボクが所属していた”自称ガレージロックバンド”も難波MELEに出演していた。
しかしパフォーマンスの未熟さと楽曲の酷さも去ることながら、もう洒落にならないくらい人気がなく、そして難波MELEからも全く優遇されておらず、THE HOWLSがものすごく羨ましい存在だった。
しかしこのTHE HOWLSも2008年に解散。その後、名前を聞く事はなかった。

DAVIS KELLER GROUPを初めて見たのは2009年くらいだったと思う。
揃いの黒い衣装の彼らはシンセを入れたガレージロックサウンドで、曲の感じからしても当時、まだ世に知られたばかりのTHE HORRORSを連想させた。
同じようにシンセオルガンを入れたガレージバンドと言えば"尼崎の壊し屋"ジャングラーズがいたが、
DAVIS~のほうが、曲が聴きやすくてシンセのメロディも効果的に入っていた印象だった。
その時はDAVIS~としては初ライブだったらしく(MCで言っていた)楽曲自体の方向性や曲自体の完成度もまだまだだった。「やろうとしている事は面白いけど、曲のブラッシュアップが追いついてない」というのが当時のボクの感想だ。
これからのバンドだと勝手に思っていた。

つまりは、実はDAVIS~がTHE HOWLSの元メンバーによって構成されていたと知ったのはつい最近なのである。
脳裏にあの完成度の高いリヴァプールサウンドものにしていたTHE HOWLSの演奏が蘇った。
サウンドの追求の仕方、リスペクトするバンドやシーンに対する着眼点、それを自分たちのサウンドにフィードバックできる実力を思い出したのだ。
と同時に「DAVIS KELLER GROUP、じゃあ今かなりヤバいんじゃないか?」という推理が働いた。
THE HORRORSの登場以降、UKからはそれに影響されたゴスガレージバンドがどんどん注目された。
nail childrenthe gaa gaa'sthe XX、、、
言ってみればLILLIES AND REMAINS(ライブは酷かったけど音源は◎)なんかのあのゴス志向の発火点は確実にTHE HORRORSだ。THE HORRORSはセカンドの「PRIMARY COLOR」でガラリとスタイルを替えてポストパンク/シューゲイザーになった。「PRIMARY COLOR」は大傑作だった。しかし、ガレージ期の次の作品を聴きたくなかったか?となればやはり聴きたいと言わざるをえない。
もしTHE HORRORSがスタイルを変えなかったら?その回答がDAVIS~にあるのではないだろうか?


※ガレージパンク期のTHE HORRORS代表曲



まるでオーストラリアの動物を初めて見たヨーロッパ人のように"進化論”的な飛躍した妄想を膨らませながらDAVIS~のライブ情報をチェックしていた。彼らのライブは深夜帯が多いのだが、遂にタイミングが合う日を見つけた。8月13日。場所は緑橋の戦国大統領だ。

戦国大統領には事前にメールで彼らの出演時間をチェックしていた。
その時刻に合わせて入場。戦国大統領は相変わらず『特攻の拓』に出てきそうな風貌(もれなく全員金髪)のスタッフの方がやさしく接客してくださる。
ラガービールを受取り、すぐにフロアに行くと、静岡から来たという18歳の少年のバンドが演奏中。
さっき接客していただいたスタッフの方がステージに「おいしそう!」というコールをしていた。
ステージの上で演奏をしているはずが品定めをされている光景は少し怖かった。
静岡のバンドは差して良く無かったが、DAVIS~が観たいがためにフロアで耐えた。

静岡のバンドは完了。フロアのライトが点灯すると、そこらじゅうに綿棒と靴下が散乱している。
こういうのが戦国大統領では日常なのか?これが戦国大統領"らしさ"なのか?
スタッフの方は全く掃除しようとしない。このバンドの前にいったい何があったのか想像がつかない。

そして、狼狽して待つと目の前に、ようやく黒シャツのDAVIS~のメンバー達がステージに現れてセッティングを始めた。
衣装、メンバー構成は3年前に見た光景と一緒。しかし音はどうだろう?もちろん格段に進歩しているだろう。
ボクはフロアのちょうど中心を陣取り、彼らのGIGがスタートするのをドキドキしながら待った。

そして、さきほどの『特攻の拓』のスタッフの方のアナウンスの後でDAVIS KELLER GROUPの演奏が始まった。


つづく
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BLONDnewHALF@西院ウーララ

京阪で三条。地下鉄東西線に乗り継いで西大路御池駅で降りる。
真夏の京都は暑かった。スチーム風呂?湿度なんて90%くらいあるんじゃないかってくらい。
大阪もかなり暑いけど京都はそれを簡単に凌ぐ暑さ。駅から10分ほど汗を滝のように流して、初めての西院ウーララへ。
ウーララは西大路通り沿いのビルの2Fだ。
1FはLED ZEPPELIN?の絵が壁にペンキで書かれたBARがあり、あきらかにロック好きが集まる集合体の体をなしている。

京都のライブハウスは大体似ている。
ビルの上位階にあること(地下でない)。入口が重い扉であること。ビールがハートランドかラガーの瓶ビールであること。サイケデリック志向AND和風の内装であること。無茶なバンド数でブッキングをしていないこと。70年代風の長髪のスタッフがいること。西院ウーララもそれの例外ではなく、入場料を払い、ハートランドビールを受取り、席に座る。



ステージではfish oil+βというEギターとゲームボーイ(シンセ)の2人組インストバンドが演奏中。
80年代の相米だったり角川の映画音楽を思わせるサイケデリックな曲。
必死にギターを弾いてる横でゲームをしているように見えて、まるで「友達の家に遊びに行って、友達が自慢げにギターを弾きだしたけどまったくつまらないから持参したゲームをしだす」という様相に見えてた。
自宅感と80s感がミックスされて良い塩梅。



そしてこの日の目当て、BLONDnewHALFの時間になる。
ボクの前の席の方がカレーを注文し始め、そのカレーがテーブルに届くやいなやライブがスタート。
カレーも気になるが、当然注目したいのはライブのほう。
スパイシーな匂いを鼻孔で感じながらライブのほうに集中。

BLONDnewHALFを観るのは5カ月ぶりだ。家出ジョニーの衣装は2012年SUMMER-WINTERヴァージョンで水玉模様。そして、おもむろにポケットから取り出したサングラスをかけるジンダさん。
髪型との相関で、まるで”追憶のハイウェイ”期に客のブーイングに対して「Play it fuckin' loud」とバンドを煽った、新しい扉を開いた頃のボブディランのようだ。

そして冒頭に演奏された新曲はミニマルだが60年代的なモダニズムを感じる、まるでディランと同時期に革新的な活動をしていたVelvet Undergroundを思わせるような曲。いままでBLONDが周到してきた80sパンク(NEWWAVE~HARDCORE)とはまた違ったアプローチを感じる楽曲だ。
シンプルなドラムビートをバックにE.ギターのダウンピッキングに絡むベースのリフが絶妙の緊張感を出していてる。まるで静かに高温の炎が燃え広がる感じ。まだボーカルのメロディが定まっていなくて未完成のようだけど、これは傑作だ。その後は一気にハイテンションの「Festive Songs EP」の曲に雪崩込み、後半では「久しぶり」だと言う”透明の世界”も演奏された。その後で音源未収録(?)のファストビートの曲。これもかっこいい。
BLONDに関してはライブで聴ける音源未収録の曲がイチイチかっこいいので、これを早く音源化していただくのを懇願する。前のお客さんのカレーが無くなるころにBLONDのライブも完了。

カレーと同じようにスパイシーでヴォリュームのあるBLONDnewHALFのライブを堪能し。なぜか自分もカレーを完食したような疑似状態に。「もう満腹」とウーララを後にした。外の空気は相変わらず沼のように重い暑気で包まれていてた。





※BLONDnewHALFライブ録音 ~8/13まで公開
配信は終了しました



TJ

LADYFLASH in デスサファリ その2(伊藤さん編)



「ところでさ、伊藤さんって会ったりしたことあるの?」
「いや、実はお顔も見た事が無くって・・・めちゃめちゃ不安なんですよ・・・」
「不安て言ったってさ。顔がわからなきゃどうやってあいさつするんだよ。でもさ、オープン前に一応は昼飯食いながらとかで打合せするんでしょ?」
「それが、オープンの30分くらい前に来るらしいです。」
「え!ちょっと!せめてどんな人か検索しとこうぜ!」
(iphoneを駆使して伊藤さんの情報を検索する)
「あれ?なんか講義中?の写真があったぞ。」
「あーー!なんか難しい顔されてますねー!怖い方なのかな?どうしましょう!」
「どうもこうもねえよ!」


これがデスサファリ前日のスタバの会話である。
(パルプフィクションのオープニングみたい?)
その後、2時間ほどiponeで伊藤さんの身辺情報を集め、トークの骨子は作った。
ということもあって、次の日のトークイベントは作家気分で本当に楽しみだった。

オープン30分前に地下一階に到着し、階段を下り、いつもの扉を開ける。
「!」
物販置き場に見知らぬ男性。その前にはSTONE ROSESの本が!
他ならぬ伊藤英嗣さんがもう物販に座っていらっしゃるのだ!
この緊張感!
「あ、本当に座ってる!」と思って距離を置いていたら、イベントにテンパったLADYFLASHから物販の店番を頼まれて AS SOON AS 伊藤さんの隣に座る事に!

ボクの頭の中では今まで音楽雑誌で感化された記憶が走馬灯のように蘇った。
ロッキンオンを初めて買ったのはもう15年も前。(結構遅い)
ライターを気にして読んでるのはつい最近ではあるけど、
思い起こせば、あのバンドも、あのバンドも、そしてあのバンドも、、
もう間違いなく伊藤さんのレビューなりインタビューなりを呼んでファンになったり、ならなかったり、CDを買って感動したり、しなかったりしてたのだ。
伊藤さんの文章を意識して読むようになったのはCookie scineが創刊されてからだ。
ポジティブで無邪気でそれでいて品がある。単行本もいくつか持ってるけど全てに言えるのはすごく文章構成のバランスのとれてるということ。起承転結の決め方が丁寧で、何度でも読める、面白くて深い文章なのだ。
よく考えてみたら、、例えばSTONE ROSESのCDを買って感動したとしても、それはどこかでライターさんの解説をなぞって感動した経緯があり、要するにボクはライターさんの文章で感動している訳だ。その張本人がすぐそこにいるのだ。

そうやって感動して硬直していると、
「こういう時っておつりこまるよね!ボクなんかちゃんと百円玉いっぱい用意してきたよ!」
と優しいお言葉。
それからいろんな話をした。
もう来週にはローゼスが来るよね!という話。
でも愛知県からだとライブとかフェスになかなか行けないということ。
the vaccinesは良いよね!っていう話。
「自分はこうなんですよ」っていう自慢ぽい話は一切しない。
相手の目線に立つのがすごく上手で、一つ一つをちゃんと説明してくれて、
親しみがありながら、ファンタジーで、まったく嫌味がなく、品がある。
本当に素晴らしい人だというのはすぐにわかった。
短い時間ではあったが恍惚の時間を味わった。
途中で話に加わったボビーさん(boy friends dead)も同じように恍惚の表情。
彼は93年に買ったという伊藤さんのレーベルから出たコンピ盤を持ってきていた。
20年越しのスタアに会ったと言う感覚だろうか。
ボクもボビーさんも幸せでいっぱいだった。

深い話もしたかった。でも目の前にいるのはあの伊藤英嗣さんであるという事実が
直前でストッパーをかけうまく話ができない。
本当にスターだと思ってる人に対してはそうなってしまうのだ。
その後のトークショーでたどたどしくなってしまうnicoFLASHにも頷ける事実。

でも、、本の感想はうまく伝えることができた。
「ありがとううれしいね」と言ってくれたことばは一生の宝物だ。

伊藤さんと話すことができてロックの第1線でやってる人ってこんなに素晴らしいのかって思った。希望が持てる日だった。





TJ

プロフィール

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TJ
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非公開
自己紹介:
since 2008.

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