京阪で三条。地下鉄東西線に乗り継いで西大路御池駅で降りる。
真夏の京都は暑かった。スチーム風呂?湿度なんて90%くらいあるんじゃないかってくらい。
大阪もかなり暑いけど京都はそれを簡単に凌ぐ暑さ。駅から10分ほど汗を滝のように流して、初めての西院ウーララへ。
ウーララは西大路通り沿いのビルの2Fだ。
1FはLED ZEPPELIN?の絵が壁にペンキで書かれたBARがあり、あきらかにロック好きが集まる集合体の体をなしている。
京都のライブハウスは大体似ている。
ビルの上位階にあること(地下でない)。入口が重い扉であること。ビールがハートランドかラガーの瓶ビールであること。サイケデリック志向AND和風の内装であること。無茶なバンド数でブッキングをしていないこと。70年代風の長髪のスタッフがいること。西院ウーララもそれの例外ではなく、入場料を払い、ハートランドビールを受取り、席に座る。
ステージではfish oil+βというEギターとゲームボーイ(シンセ)の2人組インストバンドが演奏中。
80年代の相米だったり角川の映画音楽を思わせるサイケデリックな曲。
必死にギターを弾いてる横でゲームをしているように見えて、まるで「友達の家に遊びに行って、友達が自慢げにギターを弾きだしたけどまったくつまらないから持参したゲームをしだす」という様相に見えてた。
自宅感と80s感がミックスされて良い塩梅。
そしてこの日の目当て、BLONDnewHALFの時間になる。
ボクの前の席の方がカレーを注文し始め、そのカレーがテーブルに届くやいなやライブがスタート。
カレーも気になるが、当然注目したいのはライブのほう。
スパイシーな匂いを鼻孔で感じながらライブのほうに集中。
BLONDnewHALFを観るのは5カ月ぶりだ。家出ジョニーの衣装は2012年SUMMER-WINTERヴァージョンで水玉模様。そして、おもむろにポケットから取り出したサングラスをかけるジンダさん。
髪型との相関で、まるで”追憶のハイウェイ”期に客のブーイングに対して「Play it fuckin' loud」とバンドを煽った、新しい扉を開いた頃のボブディランのようだ。
そして冒頭に演奏された新曲はミニマルだが60年代的なモダニズムを感じる、まるでディランと同時期に革新的な活動をしていたVelvet Undergroundを思わせるような曲。いままでBLONDが周到してきた80sパンク(NEWWAVE~HARDCORE)とはまた違ったアプローチを感じる楽曲だ。
シンプルなドラムビートをバックにE.ギターのダウンピッキングに絡むベースのリフが絶妙の緊張感を出していてる。まるで静かに高温の炎が燃え広がる感じ。まだボーカルのメロディが定まっていなくて未完成のようだけど、これは傑作だ。その後は一気にハイテンションの「Festive Songs EP」の曲に雪崩込み、後半では「久しぶり」だと言う”透明の世界”も演奏された。その後で音源未収録(?)のファストビートの曲。これもかっこいい。
BLONDに関してはライブで聴ける音源未収録の曲がイチイチかっこいいので、これを早く音源化していただくのを懇願する。前のお客さんのカレーが無くなるころにBLONDのライブも完了。
カレーと同じようにスパイシーでヴォリュームのあるBLONDnewHALFのライブを堪能し。なぜか自分もカレーを完食したような疑似状態に。「もう満腹」とウーララを後にした。外の空気は相変わらず沼のように重い暑気で包まれていてた。
※BLONDnewHALFライブ録音 ~8/13まで公開
配信は終了しました
TJ
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