話を日曜のワンマンライブの日に戻す。
神戸Varitに到着すると、すでに入口には入場を待つ人の行列。
入場料を支払い、CD音源を受取る。
今回のワンマンライブは彼らの初めてのCD音源『The Golden boys chechered life』の
レコ発イベントである。
ちなみにこの音源は今のところライブハウスでしか手に入れることはできない。
テーブルが置いてあるにしても、会場は1Fも2Fも結構人で埋まっている。
200人いるかいないかくらい。ローカルバンドとして相当入ってる人数だ。
そしてそのお客さんたちも彼らの個人的な友人というよりも、純粋に「Vanilla childrenを観に来た」という様相の層が多い。
そしてスタート時間の19:00オンタイムになり、Vanilla childenがステージに登場した。
CD音源の1トラック目でもあり、タイトル曲の「The Golden boys chechered life」で幕を明ける。マイナー調のメロディで始まり、間奏を経てイーグルスの『ホテルカリフォルニア』を思わせるような展開に流れる。そのホテルカリフォルニアであってもちょっとクドいなあと感じるボクであってもこれはなぜかまったくクドくならない傑作曲。
これをいつものライブでもトップに持ってくるのだ。
そして、いつものように『Dance』に流れる。この流れ。もうこの2曲でいつも心を掴まれるのだ。いつも。
この2曲を聴く間にいつも思いを巡らせる。
「このバンドなんなんだろう?」
CDのレビューにも書いてあるが、彼らの曲を聴いて瞬間に思い浮かべるのはレッドツェッペリンやブラックサバスのような70年代のハードロックバンド及びピンクフロイドやキングクリムゾンのようなプログレロックである。しかしそう思ってそれらのバンドを聴き直してみても不思議とVanilla childrenには直接つながらない。
エッセンスは確かにあるにせよ、四人囃子やイエスを聴いてる時のような退屈さやノスタルジックさは皆無だ。
決定的なのはキャッチャーさだ。
彼らはオーソドックスなメロディセンスを基盤にしておきながら、リズムは非常にダンサブルだ。そういう視点で観て行けば、むしろRADIOHEADの「Heil To The Thief」あたりと繋げたほうが全然合点がいく。
それかマッシヴアタックやポーティスヘッドとかのブリストルのバンドだったり。最近だったらJAMES BLAKE。とにかくブリットポップ以降のUKシーンとの共通点が色濃い。
と思いを巡らせているうちに彼らはアンコールも含めて1時間30分のライブを敢行した。
確かに全国規模のバンドがするようなワンマンライブに比べては完成度はそこまで高く無いにしろ、途中でアコースティックタイムを挟んだり、プラトンへの思いを語るMCを挟んだり、観る人の興味を継続させようとする試みは随所にあった。
この日のワンマンライブを特別のものにしようという一生懸命な意気込みは終始し伝わってきており、青臭くもあり、心を打つものがあったのは言うまでもない。
最後はいつものようにビートルズの『A DAY IN THE LIFE』のカバーで幕を閉じ、
Vanilla childrenのメンバー達はステージの奥に幕へ消えて行った。
この幕が彼らのワンマンの大成功の終演でもあり、これからの新たな始まりでもあるのだ。
Vanilla children 1st ワンマン「The Golden boys checkered night ~呪われた夜~」
Vanilla chirdren★★★★★☆
Vanilla childrenは6月17日(日)開催のUK ROCK NITEにも出演します!
彼らとしては久しぶりの神戸Varit以外の公演。そして実は貴重な大阪公演です!
是非目撃しに来てください!