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NOKIES! presents COUNT COUNT COUNT Vol.2 (その1)


土曜は心斎橋CONPASSへ行ってきた。

1番の目的は当然、つい先週にfree download音源「Preliminary」をリリースしたNahavandだ。
この作品に関して、前回の「AFTER YOU」同様にボクはMIXを担当している。作曲、編曲、録音、MIXがほぼ同時並行であったため、まるまる継続ではないにしろ、6ヶ月間に渡る長期間、作業を続けてきた。あーしよう、こうしようと、結構細部にわたってNahavandとやりとりを繰り返し、ようやく完成したかなり思い入れが深い作品だ。
リリース当日にはダウンロードサイトに3,000ものアクセスがあったらしい。
昨今のインディーの世界で言えば1000枚も売れるバンドは本当に一握り。この結果、感無量である。
そして、この日がタイミング的にレコ発(発売はしていないけど)ライブということになる。
レコ発という日はどのバンドにとっても記念すべき通過点であり、特別な日だ。

それと、ずっと観たかったEMPTY PAGE。
2012年は彼らのEPを旅先で何度も聴いた。「砂だらけのベッド」、「アメリカの友人」ははボクの中で特別の歌だ。
THE CIGAVETTESも観たかった。音源で展開されているようなウェストコーストサウンドがライブでどう再現されるのか興味があった。

そして面々を集めたカリキュレーターがNOKIES!だ。久しぶりに観る彼らの成長っぷりも楽しみだった。
楽しみな気分をいっぱいに胸にしまいながら、CONPASSの階段を下りて行くと、
絶望的な張り紙が堂々と貼ってあった。

「19時以降、再入場禁止」

この日は8バンドも出演するのに!
しかもTHE CIGAVETTESがトリという前情報まで入ってきてしまっているのに!
2時間超える映画を見るのを躊躇するボクが、約6時間の監禁状態を耐えれる自信なんてない。

たまにライブハウスから出されるこの悪法、なぜこんなことをするのか?
実はこの張り紙を入り口で見てそのまま帰ってしまったことも1度や2度ではない。
えー、どうしよう。
「出来る限りたくさんのバンドを見てほしい」というのが、ライブハウス側の意向らしい。でも"たくさんのバンド"の前にその張り紙のせいで帰ってしまう人もいるという事実を受け止めてほしい。
初めて観て、「おー!すげー!」なんて奇跡が存在するとでも思っているのだろうか?
少なくともボクは今までそんな経験は断じて一切ない!出演バンドはだいたい事前に調べるでしょうが!

でもこの日は前述でも書いたとおり、特別でセレブレイトな日である。
不満の一切を我慢し、ライブハウスに怨念を植え付けながら、入口をスルーし、Nahavand登場前にステージ前へ。フロアには前から後ろまでたくさんの人。よかった。
これだけたくさんの人の前に出るNahavandを見れるのも感無量だ。胸が高鳴る。

前半の2曲は「Documentary26」、「styleband Nahavand」と前作「AFTER YOU」の曲を披露。
先月にヘラバラウンジで見た時よりもパフォーマンスのキレが良い。鳴り音もはっきりしている。
今までボクが観てきたなかでも最高のライブを披露しようとしている。



MCにて新譜「Preliminary」のリリースをアナウンスの後、その音源に収録の「SELL OUT」。
プロローグから本編に切り替わった瞬間だ。
たくさん居たお客さんの反応も上々。口ずさむお客さんも何人か居たのはかなり嬉しかった。
確実に音源を聞いてもらっている事実をライブハウスで体験するなんて。

次にミドルテンポの「why always you are」で空気を変えた後、リフが印象的な「お姫様」を歌いあげ、そして再びアップテンポの「BEeFLONG」に移る。
この「BEeFLONG」という曲、MIXの際に「dis曲なんで」と一言添えて受取った。
作業中に何度も聴いてるから、あるバンドに対する攻撃的な内容の歌詞だというのはなんとなく知っていたが、
まさか実在のフリーペーパー"B誌"のBEEFになっていてるとは、その時は気づかなかった。
Nahavandのホームページで歌詞も公表されているが、歌詞の内容はかなり直接的な言語で"B誌"のスタンスなり活動、文章表現までを煽っている。
この事実を知ったのはライブの数日前。”B誌"のスタッフも来るであろうという某ソースからの前情報もあった。
「何も起きなければいいが」嫌な胸騒ぎはしていたのだ。

そして、悲劇は最悪の事態として起ったのだ。






「オイ!ふざけんじゃねーぞ!コラ!!」

まさに「BEeFLONG」が終わった瞬間-
後ろのほうから、おおよそ人間の声とは思えないほど大きい、野太い声の怒号が響いた。
後ろを振り向くと、どうみても身長が2M以上はあるだろうか、WWFのプロレスラー、もしくはBEEF(バッファロー)のような風体の男が2人立っていた。どうやって持ち込んだのか、手には警棒、バットを持っており、B誌"のロゴを配したTシャツを着ている。

まずいことが起こった。

おそらく長い関西ロックの歴史の中で"山塚アイユンボ事件"以来の最悪の事態が起ころうとしている。
フロアは一瞬で凍りつき、主催者であるNOKIES!の久米君の顔は曇った。

FLAKE RECORDSの社長がIPHONEを取り出した瞬間、
「お前ら通報するんじゃねえぞ」
大男の中の1人が釘をさした。その低音のささやきは不気味な形でフロア一体に響いた。
完全に縮こまってしまったスタッフ一同と観客。恐怖のあまり座り込んでしまう人までいた。
パニック状態に陥ったミキサースタッフは何を思ったのか、スポットライトを大男たちにあて、マイクまで渡してしまっている。

それに対してまったく動じないNahavandサイド。
「なんだって?歌詞のとおりじゃねえか。せっかくおいでなすったんだからこの場で回答してもらおうじゃねえか」
宮内君の顔には「待ってました」と書いてあるようにも見えた。

これは本当にロックのライブなのであろうか。会場に張りつめた緊張感は、もはやバーリトゥードの試合前のようである。
”死人が出る”誰もが悟ったであろう。
その時、大男は予想もつかない言葉を口にした。

「まあお前らとも勝負はつけるんだけどよ。その前に、もう一人MIXで関わってる野郎がここに来てるそうだな」

体中の血の気が全て引いた感覚になった。

「19時以降、途中退場禁止」
悪態をついたあの貼紙はこの事態を回避するための最後の警告だったのかもしれない。


・・・・








というのは、黄金時代の新日本プロレスが大好きなボクの妄想である。
それでも、何か起こるのかな、って若干期待はしてたんだけど、
実際には"B誌"のスタッフは姿を現さず、結局"欠席裁判"の形で曲はパフォーマンスされた。
ただし、特定の"バンド"や"ペーパー”の名前が晒される「BEeFLONG」はフロアのお客さんも「あれだよね」ってなって熱量をさらに上げていた。
(この行為は"シュート"ではあるが、結局、来ても来なくても、この場ではNahavandの"利"になるようになっていた)



Nahavandのライブは今までで一番完成度が高い演奏だった。
 今までで一番多くの人を掴んでいた。短期間でどんどんステップアップしていく様子は観ていて爽快だ。


フロアは最高の空気のまま、次はEMPTY PAGEにバトンが渡される。

つづく

TJ
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Nahavand@神戸ヘラバラウンジ


1曲目の[Documentary26]からしてすでに昨年よりもかなりアップデートされていた。
リズム音源がどうしてもハコによっては音が潰れてしまうことがあったが、手段をipadから別の機器を使うことにしたということで、これが大正解。音の輪郭がはっきりして格段にライブ感が出ていた。彼らの最大の武器である歌詞についてもギリギリで聴きとれるバランス。「歌詞の一部に相当のインパクトがある新曲」も改めてライブで聴けて良かった。
それ以外にも、MCで共演者をリスペクトしたり、要所で音源と違う歌詞を歌うというようなアドリブも自然にできるようになってて。バンドとしても形ができあがってきているのが見てとれた。
ライブを見る側としては前回とさほど変わらない演奏をするバンドより、前回より明らかにブラッシュアップしている(もしくは変化がある)バンドのほうが見ていて楽しいに決まっている。






ギターについてはマーシャルに直アン。エフェクター類は使わず、曲毎で音を変えるしぐさは全くない。
その理由は「(エフェクターで細かく音変えても)聴いてるほうはわからんでしょう。足元に何かあったら動きずらいんですわ」ということらしい。使わないなら使わないで潔くてそれはそれでかっこいいし、それで音が途切れたり、トラブル起こすなら、使わんほうがマシというのは同感である。演奏についてのスタイルも着実に構築しつつある。

彼らの昨年のライブ数は6本。昨年の9月以来に今年はこれが初めてのライブだ。
その間にMVを2本発表。某有名アーティストから絶賛のコメントが届いている。
次回はNOKIES!の自主企画イベントでTHE CIGAVETTESと共演。しかもこれはただの"対バン"ではなくTHE CIGAVETTESのメンバーからかなり好意的なオファーを受けての"共演"である。
対象のバンドに対してライトリスナーは"話題との整合性"を、ヘビーリスナーは"成長"を体験しにライブハウスに足を運ぶ。Nahavandはどちらの要素も手を抜かず注力をしている。(逆にどちらの要素にも何もしていないバンドを見る価値はない)おそらくそういったところが有名アーティストにも伝わるところでもあると思うし、そう言った意味で(ボクが今知ってる範囲内では)名実ともに特別に"歩幅"が大きいバンドだと思ってる。
★★★☆



この日は前から見たいと思っていたRED DOLPHINESも見ることができて良かった。
ボーカルはカールバラーに似ていてビジュアルがかっこいい。パッションのある演奏。
アナログなシンセが入ったオルタナな楽曲も良かった。
あくまでロックバンド。こういうバンドがいるのはすごく嬉しい。
★★☆

TJ

Lobotomine@神戸ヘラバラウンジ


まだthe whiteknifeというバンドをしていた頃。ハードレインで対バンした時に初めて見た。
インターネット上で調べてもまったくひっかからず、何の前情報も無しに、全く期待せずに見たもんだから。RIDE~CHARLATANS~BLUETONES~THE MUSIC~KASABIANと受け継がれるUK ROCKの伝統的なグルーヴ感と旋律をこんなに高いクオリティで自分のものにしているバンドがいることが衝撃的だったのを覚えている。
なんというか、現在でもいわゆるギターロックだったり、シューゲイザーと呼ばれるバンドはそういったニュアンスを感じさせるバンドが確かにいっぱいいるが、前述に上げたバンドたちが本質的に持っている緊張感だったり、楽曲から一瞬で作りだす空気感だったりをLobotomineは高い位置で作り上げていた。
しかもただのUK ROCKフォローというだけではなく、日本語詞のセンスも良く、バンドとしてのバランスにも優れていた。
すぐにその場でイベントの出演を依頼し、その年に8月と11月と2回出演してもらった。
しかし、その後いろんなバンドと出会う機会があり、Lobotomineのライブも観に行くことができなくなった頃、いつのまにか活動が休止してしまった。
それからボクは「BRITISH PAVILION OSAKA」に関わることになり、それこそLobotomineこそがぴったりだと思っていて活動の動向を観察していたが、そのタイミングが合う事は無かった。

本当にそれから2年ぶりに。
ヘラバラウンジのスケジュールで見て「待ってました!」という期待は計り知れなかった。
myspaceにアップされている楽曲を久しぶりに何度も聴いた。
雰囲気だけで繕わざる負えない"FAKE"なバンドが世界中で量産されている今だからこそ、Lobotomineのようにリアリティに訴えかけるような攻撃力を持つバンドが存在すべきである。「彼らこそが十字軍」「救世主伝説ここにあり」というような過剰とも言える、まさに妄想的に勝手な思い込みを持ちながら神戸に向かった。




ヘラバラウンジのスタッフでもある、valvaの渋谷さんの話では、ここでのライブも2年半ぶりだという。
ギターフィードバックノイズのオープニングの後、演奏された1曲目の「つきこもり」のリフが鳴った瞬間、3年前に初めて彼らのライブで味わった衝撃に引き戻された。同時に自分が本当にこの手の楽曲が大好物だということ思い知らされた。この感覚を取り戻してくれた時点で完全にOKなライブだ。



2曲目のクーラシェイカーを思わせるファンキーでサイケデリックな曲もかなり秀逸。新曲として披露された「WHITEOUT」はOASISの「BE HERE NOW」のように短めのループを利用したダンサブルな曲であり、もちろんかなりかっこいい曲。しかしこの曲が終わった後、衝撃の事実がステージ上から報告される。
「Lobotomineはメンバーの都合とマヤ歴の終焉を理由に活動を凍結する」とのこと。
マヤ文明、余計なことしやがる!ここまでかなり高揚させておいてそれはないだろうと。一気に冷や水を浴びさせられた気分だ。
最後に演奏された「やさしさと猫」をなんとも複雑な気分で聴くことになってしまった。
こんな気分になるんなら来なければよかったと神戸に来たことを一瞬後悔はしたものの、久しぶりに見たLobotomineのライブで気づかせてくれたものは多かった。自分は何を追い求めるべきか。チューニングが合ったのだ。

TJ

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TJ
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非公開
自己紹介:
since 2008.

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