カウンター Super Real Rock Magazine 忍者ブログ

Super Real Rock Magazine

センスの良いインディロックバンドの情報と旅先の情報を発信

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

LADY FLASH『恋するビルマーレイ』に関する雑文

51fiBaRRljL

LADY FLASHの新譜「恋するビルマーレイ」が来週には発売になります。
前に出した「vs.Net Power」は無かったことになってて、一応これが1stアルバムになってるみたいですね。
私はもう全く関与していないのですが、LADY FLASHの粋な計らいで関係者用のDEMO音源をいただきました。

これは一通り聴いた後、彼らと直接関係のない人はどこかで「?」という違和感やモヤモヤしたものが残ると思います。

LADY FLASHについては前作のEP「つよくてニューゲーム」の時に、今を時めく加藤マニさんにレビューをお願いして、書いてもらった内容がばっちりそのままで、それに勝るものはなく、今さら評するまでもなく「甘いと思って口に入れたザラメ砂糖の飴が口に入れてみたら血だらけになって、あれ、これってガラスだったのね」という名文です。

今回もまさにそれです。
女性ボーカルが入ったり、小泉マジックの音色で、表面的には、ポップ指向になり、東京のシティ派のインディバンドみたいな風合いになっていますよ。でも「ん?」っていう違和感ありますよね。

やっぱりそういう、今全国のおしゃれなロックファンが洋楽以上にフォローしたいっていう、
東京のインディバンドたち?ミツメとかYOGEEなんとかとか、TEMPAなんとかとか、ceなんとかとか、事務所にも縛られず、マイペースで活動して、音楽性が高いだとか一般人のZINでちやほや、有名人にインスタでアップさわれたり、みんな仲間になって下北でイベントしたり、海外のインディバンドの前座にピックアップされたり、「僕らは違いますよ」って言うんですが、まー、かつての渋谷系みたいな?ボクら東京、ザ・東京。京都は行くけど、大阪はなんか怖いから行かない。メンズノンノにもモデルで出ちゃうよ。みたいな、そういうのがやっぱ平成日本のバンドの勝ち組のパターンですよね。そのクラスになりたい、インバウンドにあやかりたいってバンドが全国にはいっぱいおる憧れの世界ですよ。

で、この『恋するビルマーレイ』は、「そういう、ええ感じのバンドライフ、わてらも味わわせてもらわれへんやろか?」ってそういった世界に、音的には寄せてるんですが、よく聴いたら、乗れてないのか、乗ろうとしてないのか、やっぱ全然違うじゃん!ってなっていますよ。

どこがと言えば、歌詞にやたらスパイシーな単語が溢れてます。
「とらばーゆ」、「テレフォン・セックス」、「大塚 愛」、「ワギャンのランド」なんていう、はっきり10年以上時代タイムスリープしてるような単語だとか。
あるいはワギャンのランドって曲は「ボクらは京橋のパンクス!」ってメインの歌詞があって、さらには北京語まで入ってる。昔、京橋商店街にスゲー餃子うまい店あって火事で燃えてなくなったんですが、なんかそれを思い出すような京橋大好きな超ローカルソングなんです。
これはYOGEEなんとかは歌わないですよ。
「たかじんのそこまで言って委員会」を何年も毎週録画しては楽しみに見てた人間からしか出ないセンスですよ。
この音とキラー・フレーズのギャップが最初は違和感でも、やがて"センス オブ ワンダー"を感じさせてくれます。
Blanky の『Soon Crazy』で「そんな夢を見た後に限って見つからない靴下」のところで「え?」ってなりますが、そういう異質なキラーフレーズですよね。
で、こういう異質な感覚が、ボクみたいに東京のインディバンドブームに乗り切れてない人間には余計にクサビを打ってくるんですよね。

最近Fat White Familyのレビュー書いてて、「このビートは人間の憎悪なんだ」って言ってたのとりあげましたが、このアルバムもある意味そうだと思います。おしゃれなインディバンドに乗り切れない。そんなマイノリティなロックファンを救うバンドですよ。
だから、素直にLADY FLASH=東陽片岡という解釈の聴き方でしっくりくると思います。

※参照:東陽片岡
touyou-aniki

もう、ボクもすでに何10回も聴いてますが、ずっと聴いていけるアルバムだということで間違いないです。

リリース本番に向けて、ちゃんとしたレビューだとかインタビューが出てくるようなので、
ボクはこの辺にしておきます。

TJ
PR

NOWEAR"ONE"MAN @ 下北沢DAISY BAR

昨日はNOWEARMANのワンマンライブイベント「NOWEAR"ONE"MAN」 へ。
下北沢Daisy Barまで足を運んだ。

15:00 伊丹空港から羽田へ。NOWEARMANを観に行くだから
もちろんキャリアは"ANA”を選択!

image
やっぱ飛行機は超快適だった。早いし、安い。
すぐに下北へ向かったのだが、昔happy(個)に聞いた「東京のライブ前は銭湯が良いですよ!」という助言を思い出し、下北沢に近い、東北沢の銭湯「石川湯」へピットイン。
石川湯は昔ながらの地元密着型の銭湯だった。湯船の数は1つしかないが、
きれいなところ。到着して1時間もたたないうちに地元の住人たちと裸のつきあいだ。

image

風呂上がり、スプライト片手に世田谷の住宅街を歩く。
戸建ての家と古い個人商店が並び、東京の真ん中とは思えない。
それが下北沢に近づくにつれてだんだんご存知の東京の顔になってきた。
ライブ前のメシはどうしよう?とチラッと見たら、おのぼりさんにはピッタリの
ネーミングのラーメン屋が!
店内は、もう高度成長期で時代が止まってるような感じ。
お客さんが帰ろうとすると、ホールの人が「イチゴー!(1500円)」と叫び、
レジに近い別の人が会計をする。たまにそのホールの人が「あれ?ビールもあった!って帰っちゃった!?」ってミスがあったりして、東京ローカルな雰囲気がたまらない。
さっそく名物の江戸っ子ラーメンを注文。昔風の薄味しょうゆのラーメン。キムチが入っててどこが江戸っ子なのかちょっと理解できなかったが、おいしかった。
あとで調べたら甲本ヒロトが働いてたお店らしい。ロックンロール。

image

下北沢をひととおりブラついて、DAISY BARに入る。
下北沢DAISY BARは、STROKES 、LIBERTINES、ARCTICなどのいわゆる00年代以降のモダンガレージ寄りの東京のバンドたちが連日連夜出演する下北の名物的ハコである
MIRRAZ、veni vidi vicious、andymori、クリープハイプ、WHITE ASHなど、、今では第1線で活躍したり、バンドマンの憧れとして名前が挙がるバンドたちもここで出演していた。そんなバンドたちと時代を築いてきた、映像ディレクターの加藤マニさんがこの日の転換DJとして、すでにいい具合にフロアを温めていた。今はキュソネコカミ、HELSINKI LAMBDA CLUB、THE ラブ人間など話題のバンドのMVを手掛けるインディシーンの重要人物、マニさんのDJを聴くのもやっぱここまで来なければ出会えない機会だ。
スタートの時刻になり、演出のバトンが次に渡される。
そのマニさんがずっとMVを手掛ける、NAHAVANDがこの日のオープニングアクトだ。

image

先月のリリースイベントから、あまり間を置いてないためか、序盤から力強いフルスロットルで「TWO OF STRONGEST」のナンバーを次から次へ叩き込む。時折見せるブラザーフッド的なアクションも”最強の2人で切り開く"的なメッセージが胸を熱くさせる。
途中、機材トラブルがあれど、下手なMCをせず、"一旦はける"というリアムギャラガーな行動。さすが逆境でもクールだ。
ラストは「COMMUINTY」で〆る。壇上のNahavandも含め、フロアにはNOWEARMANを支え、支えられた仲間が集まっている。この曲はバンドや関係者、客とのユナイトをNahavandの視点から綴ったものであるが、それはそのままこの日の状況にも置き換えられ、感慨深くなった。オープニングアクトとしてふさわしい立ち位置から、いい具合に、次に渡すべき、沸点近くまでフロアをアゲた。

そしてこの日の本編、NOWEARMANのワンマンがスタートする。

image

先に結論を言えば、この日、1時間20分あまりのステージを観て、ようやくNOWEARMANの魅力が100%理解できた。
これくらいのセットがNOWEARMANには一番ふさわしいボリュームだと思った。映画「ダークナイト」の158分が余すことなく必要であるのと同じように、これも"必要な尺"である。
というのも、NOWAERMANの楽曲は音の重なりから一見単純そうに感じられるが、実はあらゆる複合的なアプローチから成り立っている。このバンドをジャンル分けしづらいというのもそういうところにあると思う。例えばRADIOHEADの魅力を30分のライブで理解できないのと同じである。
1枚のアルバムだけリリースしているバンドのライブとしては短いとは言えない尺をまったくダレずに見れたのは、それだけドラマチックに、丁寧に、示してくれたからであろう。
前半はSICIDEのカバー(?)も含む、パンク的アプローチの曲が続く。この時間、ボクはNOWEARMANの存在を東京ロッカーズの後継者だなと感じていた。ギター、ベース、ドラムがすべて打楽器としての役割も果たし、グルーヴを形成する。かつて新宿の地でFRICTIONがやっていた事に重なったのだ。「MAN NOWEAR」には如実に現れてなかった、アヴァンギャルド・パンクの視点がやはりNOWEARMANには不可欠だったのだ。
この流れが、MVとして公開されている「STARS」を起点に、少しづつポップな方向にギアチェンジしていく。3つのパートが分散してリズム中心だったのが、パートの音が集中してメロ中心になっていく。この楽曲の移り変わりのグラデーションが非常に素晴らしかった。ラストナンバー「THROUGH THE NIGHT」はそのストレートなメッセージの歌詞も含め、感動的なエピローグでだった。
この日は昨年の「MAN NOWEAR」リリースから続く、一旦の到達点でもあり、これからのスタート地点であったと思う。この貴重な日を体験できてよかった。ANAで大阪から来る価値は十分過ぎるほどあった。
ぜひこのワンマンのセットを持って日本全国の地を回ってほしいものだ。

image

The Forevers/Helsinki Lambda Club @ ミナミホイール

連勤のようにアメ村に向かう。ミナミホイール3日目。
image

今日はロックバンドを2本。
1つ目はKnaveにてThe Forevers
go!go!vanillasとかThe Bohemiansみたいな、いわゆるリバティーンズ以降の日本語ガレージロックバンド。
「なんだよ(客が)スカスカじゃねーか」(そんなにスカスカじゃない50人くらい居た)「この前大阪のバンドに聞いたら、ミナミホイールのKnaveって失敗だって言ってたわ」という、今時珍しい、誰も得しない、毒舌MCにびっくり。MVを観た印象では行儀の良い、気だてのよい青年4人組という印象だったのに・・。人を外見で判断してはいけない。だた4人ともがいい味出したロック顔(2枚目というわけではない)だし、曲も良かったし、そしてMVよりもなぜか、歌と演奏が上手だったのでライヴは見ごたえあった。

image



次はFUNJ TwiceでHelsinki Lambda Club
MVで視聴してた段階でかなり曲が好きだった。特にマニさんが監督した曲はPULPのcommon peopleのリブートともとれる歌詞の世界観がニクイ。
他の曲も、洋楽の要素と邦楽の要素のバランスが絶妙で、洋楽的背景がわからない人でも全然入っていけるポップなとこを持ってるのが強い。歌詞の内容も、中2病とは違う角度の20代の青さがあってよい。
でFUNJ Twiceに行ってみたらさすがの入場規制。ライヴパフォーマンスも好感が持てた。他のバンドみたいに、コールアンドレスポンスみたいのを強要したり、手拍子や手を横に振るアレを強要することもない。ましてや客いじりや悪態もつかない。無理矢理参加型にしないのは観客としては居心地よい。逆に自分らがちょっと面白い動きしたりして、わざと見せ物になる姿勢は、パフォーマーとして素晴らしいと思った。さすがマニさん推しのバンドだけあって、「これは人に支持されるな」と思える良いバンドだった。このバンドが人気出るのは全然あり。

image
マニさん監督のもいいけど、この曲が頭から離れない。



今年もミナミホイール楽しかった。ちょっと気になってたバンドがまとめて観れるし、これからって覚悟決めてるバンドはどれもパワーあって良いライブしてくれる。いろんなライブハウス回るのも楽しい。
来年は知り合いのバンドがもっと出てほしいかな。

image

TJ

プロフィール

HN:
TJ
性別:
非公開
自己紹介:
since 2008.

センスの良いインディ・ロックバンドと旅先の情報を発信。
-----------------------------------------
BEST WORKS.

→MV Dir :https://www.youtube.com/...
→Article :
https://belongmedia.net/tag/tj/...
→SOUND ENG:
https://www.youtube.com/...

ブログ内検索