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BLONDnewHALF / Clean



関西の現役インディバンドで代表のバンドは?と問われたら『BLONDnewHALF』と即効で答える。
おそらくボク以外でも現場でBLONDを体験した人なら異論はないと思う。

あらゆる面で最強。このバンドを置いて"インディバンド"を語ることは不自然ではないか。そういうバンドだ。


ここ数年接触したほとんどのインディバンドが、ライブを頻繁にやることを好まない。
というか、ライブをすること自体を好まないし、それが特別だという意識もないようだ。
確かにまだリリースもなく、客も付かないうちから闇雲にライブをしていくのは賢い行為ではない。


しかしボクが"演者"としてライブハウスに通っていた2008年頃は月に2回3回4回、ライブをするバンドが珍しくなかった。客がいなくても、ライブを遂行することだけを目的にしたバンドがとにかく多かった。だいたいのバンドはおのずと疲弊してどんどん消えた。


 


そんな時代の中、BLONDnewHALFは月に10本~20本というケタ違いのライブ本数をしていた。
しかもどのライブも"こなしてる”なんて意識は微塵も感じさせない圧倒的な熱量と完成度のパフォーマンスを見せる。どんなイベントでもBLONDをトリにすれば間違いはなかったし、回を重ねるごとにバンドの結束力も楽曲のクオリティも高くなり、どんどん成長させていた。
さらにVoの家出ジョニーはBLOND以外に『家出少年』と『パラリンピックス』というバンド(あともう2つあったかもしれない)でもコンスタンスに活動しており、そして8月には須磨海岸で自主企画のフェスを開催し、2週に1度、ネットラジオ「シマシマリクエスト」を配信していた。「家出ジョニーは3人いるんじゃないか」という噂も流れたほど尋常じゃない活動量だった。


あの頃、「関西のインディにはBLONDがいるから」というのはすごく大きかったし、今でもそれは変わらないと思う。
あと、ステージを降りた彼らはいつも気さくだった。メジャーで出るような有名なバンドも、かなり前からローカルにいる年配バンドも、昨日出てきたような新人のバンドも同等に接した。COMIN'KOBEみたいな大きなイベントでも、集客が見込めないよくわからないイベントでも全力のライブを披露した。決して媚びることはなく、常に相手をリスペクトする立ち位置だった。もちろん楽曲も素晴らしいんだけど、バンド活動に対するそういうリベラルな姿勢から真のパンク・ロックを感じた。


 


そんなBLONDnewHALFが8月に新譜アルバム『CLEAN』をリリースした。
彼らの代表曲『IN ORDER』から始まり、緩急をつけながら疾走する16曲。
前作から実に9年。あれからおよそ2,000本のライブがどこかで繰り広げられたわけだが、
まるでそのすべてを集めたようなすごいエネルギーがつまった作品だ。特に最終曲『Nle』のベースラインは鬼気迫るものだ。
パンクであり、サイケデリックであるが、楽曲のひとつひとつはすごく繊細にアレンジされていて不思議なポップさがある。すごいパワーだけど何度でも聴けるキャッチーさがある。
"ニューウェイヴパンク”というジャンル説明が邪魔になるほどの快作だと思う。




でもBLONDの真髄を体験するのはやはりライブだ。
まだ見たことない人は絶対見るべきだ。


BLONDは今でも月に10~15本のライブ活動を続けている。
この記事を何月何日に見てるかわからないけど、おそらく今日もBLONDはどこかのライブハウスに出てる。http://blondnewhalf.tumblr.com/
当日券でいいから見るべきだ。
おそらく、その日もどのバンドにもどの映画にも負けない、最高のライブ体験になるであろう。

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ワンランク上の自由な音を鳴らす Jurassic Boys - "CITY"



先週の2月16日にリリースされたJurassic Boysの初スタジオ音源『CITY』のMVをたくさんの人に聴いてほしい。
Jurassic BoysはEMPTY PAGEのVo.&Gtだった大中龍承氏がMONO NO AWAREでも活動する柳沢豊氏と新たに立ち上げた3ピースバンドだ。empty pageではEPをリリース後にFLAKE RECORDSのイベントで大阪にも来たり、僕のイベントにも出てもらったけど、その後はいろいろな事情で思うようにリリースやライブ活動ができず、バンド自体も活動できなくなったらしい。あの日、ライブで演奏してくれた数々の名曲が世に出なかったのは非常に悔やまれるが、今はこのJurassic Boysで本格的に活動をしてる。



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特に8月からは「自分たちで気軽に音楽を楽しめる遊び場を作ろう!」ってインディペンデントな姿勢で、仲間たちと自主イベント"X-FARM"を下北沢で月イチ開催してて、すでに今月で6回目を迎え、会を重ねるごとに盛況になっているようだ。
今回のMVはシーンのほぼ全編に渡ってイベント"X-FARM"での風景になっていて、なにより龍承氏が非常に幸せそうに演奏し、または恍惚な表情でCHILってる姿を見ると、empty pageの時代には見いだせなかった自分の立ち位置を見つけたんだなと思わざるをえない。ここからがスタートだ。
この『CITY』は「帰るべき場所(仲間)があり、だからこそまたそこから旅立っていく」、現代の"僕らが旅に出る理由"とも勝手に思ってしまう、または"フーテンのあいつが帰ってくる"的なポジティヴな心象風景を、相変わらずセクシャルで艶やかな声で歌い上げている。さらにこれを助長するように清々しくもダイナミックなギターサウンドがまた良い。まさにMVで龍承氏が着るTシャツのPAVEMENTみたいに自由な音だ。
Jurassic Boysは引続き順調な活動で、3月、4月は関東で今一番アツいインディーロックイベント言われてる『PUNCH』に連続出演する。彼らの自由な音を体験したいヤツは是非この『PUNCH』か『x-FARM』へ行け!

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LADY FLASH『恋するビルマーレイ』に関する雑文

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LADY FLASHの新譜「恋するビルマーレイ」が来週には発売になります。
前に出した「vs.Net Power」は無かったことになってて、一応これが1stアルバムになってるみたいですね。
私はもう全く関与していないのですが、LADY FLASHの粋な計らいで関係者用のDEMO音源をいただきました。

これは一通り聴いた後、彼らと直接関係のない人はどこかで「?」という違和感やモヤモヤしたものが残ると思います。

LADY FLASHについては前作のEP「つよくてニューゲーム」の時に、今を時めく加藤マニさんにレビューをお願いして、書いてもらった内容がばっちりそのままで、それに勝るものはなく、今さら評するまでもなく「甘いと思って口に入れたザラメ砂糖の飴が口に入れてみたら血だらけになって、あれ、これってガラスだったのね」という名文です。

今回もまさにそれです。
女性ボーカルが入ったり、小泉マジックの音色で、表面的には、ポップ指向になり、東京のシティ派のインディバンドみたいな風合いになっていますよ。でも「ん?」っていう違和感ありますよね。

やっぱりそういう、今全国のおしゃれなロックファンが洋楽以上にフォローしたいっていう、
東京のインディバンドたち?ミツメとかYOGEEなんとかとか、TEMPAなんとかとか、ceなんとかとか、事務所にも縛られず、マイペースで活動して、音楽性が高いだとか一般人のZINでちやほや、有名人にインスタでアップさわれたり、みんな仲間になって下北でイベントしたり、海外のインディバンドの前座にピックアップされたり、「僕らは違いますよ」って言うんですが、まー、かつての渋谷系みたいな?ボクら東京、ザ・東京。京都は行くけど、大阪はなんか怖いから行かない。メンズノンノにもモデルで出ちゃうよ。みたいな、そういうのがやっぱ平成日本のバンドの勝ち組のパターンですよね。そのクラスになりたい、インバウンドにあやかりたいってバンドが全国にはいっぱいおる憧れの世界ですよ。

で、この『恋するビルマーレイ』は、「そういう、ええ感じのバンドライフ、わてらも味わわせてもらわれへんやろか?」ってそういった世界に、音的には寄せてるんですが、よく聴いたら、乗れてないのか、乗ろうとしてないのか、やっぱ全然違うじゃん!ってなっていますよ。

どこがと言えば、歌詞にやたらスパイシーな単語が溢れてます。
「とらばーゆ」、「テレフォン・セックス」、「大塚 愛」、「ワギャンのランド」なんていう、はっきり10年以上時代タイムスリープしてるような単語だとか。
あるいはワギャンのランドって曲は「ボクらは京橋のパンクス!」ってメインの歌詞があって、さらには北京語まで入ってる。昔、京橋商店街にスゲー餃子うまい店あって火事で燃えてなくなったんですが、なんかそれを思い出すような京橋大好きな超ローカルソングなんです。
これはYOGEEなんとかは歌わないですよ。
「たかじんのそこまで言って委員会」を何年も毎週録画しては楽しみに見てた人間からしか出ないセンスですよ。
この音とキラー・フレーズのギャップが最初は違和感でも、やがて"センス オブ ワンダー"を感じさせてくれます。
Blanky の『Soon Crazy』で「そんな夢を見た後に限って見つからない靴下」のところで「え?」ってなりますが、そういう異質なキラーフレーズですよね。
で、こういう異質な感覚が、ボクみたいに東京のインディバンドブームに乗り切れてない人間には余計にクサビを打ってくるんですよね。

最近Fat White Familyのレビュー書いてて、「このビートは人間の憎悪なんだ」って言ってたのとりあげましたが、このアルバムもある意味そうだと思います。おしゃれなインディバンドに乗り切れない。そんなマイノリティなロックファンを救うバンドですよ。
だから、素直にLADY FLASH=東陽片岡という解釈の聴き方でしっくりくると思います。

※参照:東陽片岡
touyou-aniki

もう、ボクもすでに何10回も聴いてますが、ずっと聴いていけるアルバムだということで間違いないです。

リリース本番に向けて、ちゃんとしたレビューだとかインタビューが出てくるようなので、
ボクはこの辺にしておきます。

TJ

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TJ
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非公開
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since 2008.

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