The city のレポートに移る前に。
ここで度々とり上げていたにも関わらず、The cityのバンド名を間違えてた。
The City.と最後にピリオドをつけていたが、ピリオドはつかない。SoundCloudに登録する際にピリオドがついてしまったらしい。The City が正しい。
「なんかいまどき最後にピリオドとか、ここだけちょっとなあ・・」とか勝手に迷惑かけてたクセに思ってたんだけど、そうじゃないのだ!ごめんなさい。
The Cityを観に京都METROまで行った。
前回は神戸、前々回は大阪と。結果的に3都市追っかけている。それほど、このバンドは次も観たいと思わせてくれる。
METROはフロアに入ると週初めにも関わらず、30人ほどが入ってて結構人が多い。
京都のレーベルのオーナーがDJをしてて、プラスチックカップに入ったぬるそうなビールをちびちびやりながらぬるい曲をかけてた。「早く入りすぎたな」と狼狽しながらバーカウンターでコロナビールを受取る。600円のものまでドリンクチケットが使えるのがここの嬉しいところ。
クラブでもあるからそこらじゅうに座るところあるし、実は外音が良い。駅近だしね。
The Cityの1曲目はやはりNEW ORDERの「CEREMONY」カバーだった。
ポストパンク、ニューウェヴ系のバンドが出るイベントでこんな大ネタのカバーをやる。モッズバンドのイベントでTHE WHOの「NEW GENERATION」やるみたいなものだ。メタルのイベントでアイアンメイデンの「THE TROOPER」(これはセーフ?)をやるようなものだ。
ある意味「え?何?」っていう単なるハズしネタみたいにも思えるが、実はこれがThe Cityのライブにおける非常に重要な導入部になっている。
まずひとつ、これは2000年代のポストパンクリバイバルとの明確な線引きを示しているというバンドのスタンスについての解釈を前回はしたが、それに加えて発見したことで、
ほぼコピーに近いまでの「Ceremony」のその次の曲、オリジナル曲でもCeremonyのリズムを
引き継いでいる。そしてその次の曲もやはりまたリズムを引き継いでる。スコセッシなんかがやる前後のシーンのBGMを引き継がせる手法にも似ているし、つまりはヒップホップのDJの手法なのだ。
80年代ポストパンクに忠実で、割とオーソドックスな音楽性でありながら、レイヤー的に同じ80年代に隆盛したヒップホップの手法でオーバーラップさせてる。全体の骨格としてはハイブリッドな構成を見せている。これは新しい!
ライブ後に少し話をした時にウェス・アンダーソン映画の話をしたが、全体構成としてどうしようとしてるのか?というところでアイデアを出しているところなんかは共通点がある。
彼らは「フロアのお客さん盛り上がろう!」「フロアと一体化」みたいな"ザ・ロックバンド"なやり方とは全く違うところから聴き手にアプローチしている。
1曲、1曲はフックに欠けるような印象があるが、そういうものではないのだ。
そういった映画的構成からなるライブにおいて、約8割がインストで構成されてる「Afterglow」のギターの旋律は非常に美しい。SoundCloudでも聴くことができるが、もっとさらに長尺になライブヴァージョンは何も歌ってないのに、多くの事を語っているような気さえして感動が込み上げた。
「大阪でやってます("大阪から来ましたThe cityです。次回のライブは大阪のpara-diceというところのイベントに出演します。よかったら是非。次は最後の曲です"の略)」という極限にシンプルにしたMCも新しかった。
もう1個楽しみにしてたYOUR ROMANCEは演奏が非常にしっかりしていて、思ったよりもエネルギッシュなライブだった。初めての遠征という割にはこの時、フロアにはお客さんはいっぱいだったし、かなり人気だった。
楽曲はHOTEL MEXICOが出てきたばっかりの頃にやってたような事を、もっとエンターテイメント性をはっきりさせてわかりやすくしてたような感じだ。
でもそのわかりやすくしてるところが、既製品的に思えてしまい、逆に新鮮さを感じなくしてしまいがちだ。P-MODELみたいに日本語詞だったら、マイナーなものをわかりやすくする姿勢は捉えやすいんだけど。
WHITE ASHを東京のサマソニで観た時もおなじようなこと思ったけど、英詩でやってるし、だから何か意味があるだろうし、どこかエッジなところをやろうとしてる影が見えるからこそ、そういうところがよけいに気になってしまった。
HOTEL MEXICOやToro Y Moiが5年前に通過したことを今やる必要がよくわからなかった。
TJ
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