茶屋町タワーで「MORE LIGHT」を買った後は、
TheFoglandsを見る目的で、すごく久しぶりに心斎橋HOKAGEに行ってきた。
▼イントロダクション(心斎橋HOKAGEという場所)
ここはライブハウスとバーがセパレートになってる(地下1階と地下2階に分かれてる)ところと、
あとドリンクが安い(生ビールが380円)のが良い。
フロアに入ると、すご~く気だるくって、いなたい、ロック的なケミストリーは一切起きそうもない、
この独特な、ダウナーな虚無感が漂う。これも以前と変わりなかった。かつて武田鉄矢は「思えば遠くに来たもんだ」と歌ったが、本日は「思えばHOKAGEに来たもんだ」という具合か。地上とはまったくの異世界だ。
さらに、HOKAGEといえばこういう光景だ。
ステージ(というよりはフロアライブなのですぐそこ)に目を向けると、19歳くらいのギターボーカルと同じ歳くらいのドラム、そして40歳くらいのベーシストというスリーピースバンドが演奏中だ。
さっきから感じさせる違和感は年齢が云々ということではなく、テクニックの差だ。ベースがもの凄くテクニカルなのだ。しかも音も程良くドライブを効かせたりして、ブンブン太い。まるで30年くらい続けてきたベテランバンドのごとく上手い。一方、他2名の演奏は「この前楽器買いました」というようなフレッシュさ。2人は一生懸命に楽器を演奏するが、いかんせんテクニックだけではなく音作りも未熟なため音は細く、フロアではベースの音だけが気持ちよく響く。そんな3人が演奏する曲はフジファブリックみたいなダンスロック調だ。しかもメロもリズムもこんなにベースが引っ張るバンドもめったにいないものだ。
「最後の曲になりました。また機会があればここで演奏することもあると思いますので、観に来てください。ありがとうございました」とベースの方が最後のMCをする。演奏に限らずMCも落ち着いていて上手だ。
すぐに曲に入れば良いものを、ギター・ボーカルの男子は長らくチューニングを続けている。
永年バンドをしてきたであろうベースの方は思わず(しかも優しく)言ってしまう。
「・・・またチューニングしてるのかい?」
これがHOKAGEである。最後の曲を聴きながら苦い生ビールを口に流す。
さて次はThe Foglandsだ。
▼The Foglands
The Hoglandsの演奏曲は前回の京都nano(
前回のレビュー)とまったく同じだった。
ライブを目の当たりにした時に感じた好きな感じもそのままだった。
それと今日のほうが楽しそうに演奏していた。「演奏する楽しさ」が伝わるバンドは観ていても楽しい。
1曲目に演奏された「Leisuredman Or Gentleman」はリードギターのリフから組み立てられた
リズミカルでスピード感のある、彼らの看板曲だ。品を持たせたギターのアンサンブルとサウンドがMODSっぽさを感じさせてくれる。
この調子で後の曲も続いていく。
純度が高い、トラッドなUKを感じさせてくれるところがこのバンドの特徴だ。
最後の曲は5分くらいあるいろんな展開の曲。サビのメロディが最近の
007シリーズの主題歌に似ていて(いつも使われるメロ)、スケールの大きさを感じさせた。
彼らの曲は例えばフランツを目指すバンドのようにわかりやすい派手さというよりは、
例えばオーシャンカラーシーンとかMILES KANEのように伝統的なブリティッシュロックのテイストが散りばめられている点であろう。エールビールが飲めるブリティシュパブが似合いそうだ。
The Foglandsの演奏が終わると、薄めにBGMが流れ出す。
バンドのパフォーマンス単体では熱いものだったが、その熱量はいかんせんHOKAGEのダウナーな空間へ一瞬に飲み込まれてしまった。フロアに居る人も増えも減りもしないので次のバンドがあるかどうかも良く分からない。(もともと深夜のコンビニくらいの人数だった)とりあえず生ビールのジョッキをバーカウンターへ戻しに行く。
カウンターの奥に楽屋があり、そこでThe Foglandsのメンバーと少し話して帰った。
※こんな事書いてますが、HOKAGEは1人で行っても自分の時間が過ごしやすいし、
音も照明も実はかっこいいところなので好きなハコです。
TJ
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