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センスの良いインディロックバンドの情報と旅先の情報を発信

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Youth Comics @ 扇町para-dice

YC3
転換を待つ間、後方の席では遂先ほどに出番を終えてステージを下りてきたヘヴィメタルバンド(フライングV+長髪+速弾き)が大きな声で、今日の大学ラグビーの試合と五郎丸の凄さについての寸評をしだし、あー、久しぶりにpara-diceのブッキングライブに来たんだなあと、実感し、そのゆるい空気に浸っていたところでYouth Comicsの演奏が始まったのだ。


Flipper's Guitar meets NUMBER GIRL

YC2
ここに来る前、出順を確認するために彼らに直接メールのやりとりをしていた。
そこには「演奏は初心者で、初ライブなので自信がなく、全然告知もしていない」という文面があり、そうはいうものの、楽曲はいいのだからそこまで悪いものにはならないだろう、くらいの気持ちでいた。
いやでも全然そんなんじゃなかったんです。全然上手だった。
Sound Cloudで聴く限りで、もちろん楽曲がいいのはわかってたけど、それを120パーセントで表現するほどの演奏力はちゃんとあるし、サンクラの音源では感じられない熱量はビシビシ伝わってきた。
題名にフリッパーズをあげたのはUKギターポップ/シューゲを消化した邦楽(その後の延長線上にあるバンドも含めて)の象徴としてのフリッパーズだ。ナンバガをあげたのはUSインディを消化した邦楽(その後の延長線上にあるバンドも含めて)の象徴としてのナンバガだ。Youth Comicsがもろにそれらのフォロワーというわけでは決してなく、そういったバンドと平行のセンスで洋楽の要素をうまく"パクってる"というレベルの高さを感じたからである。
そして平均年齢18歳というみずみずしさというか、ロックに対する初期衝動の現れがそれに拍車をかける。
(※2017年10月追記:MCで「18歳なんですけど」って言ってたのでこう書いてたけど実はジョークだったみたいで違うらしいです。確かにライブ後に少し話してた時に普通にタバコ吸ってて。ていうかそういう10歳からタバコ吸ってましたみたいな18歳かと思ってたらやっぱ違いました。でも音楽的にフレッシュな印象だったのは変わりないです。)
最後に演奏した『And his car』なんてホントすげーよかった。

情報も評価もほとんどないバンドが実際に見てみたら想像以上にかっこよかった。このゾクゾク感は久しぶりだったけど、やっぱたまらない。
でもこのバンドは基本しばらくは音源を作るのを優先にするらしくって、とにかくどんどんライブしたいんじゃないんだって。
おそらくいろいろなイベントから声がかかるまでそんなに時間がかからないだろうけど、本当に良質なバンドなので、良い音源が発表されることと、またライブが見れることを楽しみに。


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「京都にやって来たNOWEARMANは無双状態だった」:NOWEARMAN@京都アーバンギルド

演奏10分前だというのに ・・
アーヴァンギルドに向かう階段を登ると、早くもNOWEARMANの2人、長野氏と大樹氏の両人が踊り場でゆったりとソファーに腰かけながら迎えてくれた。
この3連休、NOWEARMANは"Oui!”と銘打ち、盟友MIRROR MOVESと共にスプリットツアーに出ていた。福岡、広島と続き、1日置いて前日の深夜には京都に入ったという。

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「なんかいろいろやることばっかりで疲れましたよ。でも博多ではラーメン、広島ではお好み焼き、京都ではにしんそばでしょ。名物はひと通り食べました。」
ツアーの感想を尋ねると、さすがに4日も過ぎた後であるためか、まったりとした様子だ。「まー、いつもの感じでやりますよ」とマイペースの長野氏。でも、まさかあんなに特別な時間が過ごせるとはこの時は思っていなかった。
前出演者のノイズ・サウンドが止んだので久しぶりに再会した時里君と宮内君と一緒にアーヴァンギルドのフロアに入る。
無双状態になったNOWEARMAN

アーヴァンギルドのビールはハートランドのグラスビールだ。特別うまい。
京都のハコはたいがいビールがうまい。
DJのBGMがnew orderの『BLUE MONDAY』に切り替わり、NOWEARMANの3人が準備をはじめる。
1曲目「そして夜は暗い」が始まり、天井の高いアーヴァンギルドにNOWEARMANのサウンドが響いた。
このハコは音が若干音が回り、客席にはこもり気味に聞こえてしまうが、それが良い方向に作用し、バスドラとベースの音がいつもより重く鳴り、グルーヴ感がより立体的になっていた。
これはまさしく、ここでしか聞けないNOWEARMANの音だ。まるでここで何年もやってきたように、まるで京都の闇を飲み込むように、この1曲から空気を変えた。
それに後押しされるかのように、頭を振り回し、よりアグレッシヴに歌唱し、ギターをかきならず長野氏。どこがマイペースだ!
「全然疲れてねーじゃねーか!ダマされた!」

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何度も聴いた『STARS』、『RADIO』ですらも、また全然違う印象で、バッキバキの音とメロディの塊が刺さってくる。
そしてエッジの聞いたドラムソロからダンサブルなベースが乗り、見事な陣形を組んだ3人から織りなすグルーヴの津波はこの新曲で最高潮に達し、まるで清水寺の金剛力士像のように完全に無双状態になった。
YOUTUBEに上がっているdemoでも曲は知ることができるが、このライブで見たものはまるで別物。この曲こうなるのか。これはやっぱ来た甲斐があった。

と思ったころ、前に座ってモスコミュールみたいのを飲んでたチャニング・テイタムが目の前に立ち上がった。
そりゃあシャッターも切りたくなる

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※前の影は後の座席に遠慮なしに無心にシャッターを切るテイタム

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※参照:チャニング・テイタム 代表作は『21ジャンプストリート』

テイタムはデイパックのリュックから一眼レフのデジカメを取り出し、堂々とフラッシュをたきながら、立っては撮り、かがんでは撮り。
肩をたたき「21ジャンプストリート面白かったですよ」と言っても無視。
まるで何かにとりつかれたようにシャッターを切り続ける自動機と化した。NOWEARMANの無双ぷりは見知らぬバックパッカーにすらも雷を落とし、夢中にさせたのだ。その次も、曲の真ん中に最高な"GET DOWN"が埋め込まれている秀逸な新曲。テイタムはもう100枚くらい撮ったか。相変わらずシャッターを切り続けた。

ラストの曲『Through The Night』は歌詞に出てくるとおり、"夜が明けるような"ポップなメロディが心地よい。ある意味ベタかもしれないけど、エンディングにはふさわしい。締めにふさわしい。いつのまにか隣にいたテイタムはだれに微笑んでいるのか、恍惚の表情だった。

NOWEAR"ONE"MAN @ 下北沢DAISY BAR

昨日はNOWEARMANのワンマンライブイベント「NOWEAR"ONE"MAN」 へ。
下北沢Daisy Barまで足を運んだ。

15:00 伊丹空港から羽田へ。NOWEARMANを観に行くだから
もちろんキャリアは"ANA”を選択!

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やっぱ飛行機は超快適だった。早いし、安い。
すぐに下北へ向かったのだが、昔happy(個)に聞いた「東京のライブ前は銭湯が良いですよ!」という助言を思い出し、下北沢に近い、東北沢の銭湯「石川湯」へピットイン。
石川湯は昔ながらの地元密着型の銭湯だった。湯船の数は1つしかないが、
きれいなところ。到着して1時間もたたないうちに地元の住人たちと裸のつきあいだ。

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風呂上がり、スプライト片手に世田谷の住宅街を歩く。
戸建ての家と古い個人商店が並び、東京の真ん中とは思えない。
それが下北沢に近づくにつれてだんだんご存知の東京の顔になってきた。
ライブ前のメシはどうしよう?とチラッと見たら、おのぼりさんにはピッタリの
ネーミングのラーメン屋が!
店内は、もう高度成長期で時代が止まってるような感じ。
お客さんが帰ろうとすると、ホールの人が「イチゴー!(1500円)」と叫び、
レジに近い別の人が会計をする。たまにそのホールの人が「あれ?ビールもあった!って帰っちゃった!?」ってミスがあったりして、東京ローカルな雰囲気がたまらない。
さっそく名物の江戸っ子ラーメンを注文。昔風の薄味しょうゆのラーメン。キムチが入っててどこが江戸っ子なのかちょっと理解できなかったが、おいしかった。
あとで調べたら甲本ヒロトが働いてたお店らしい。ロックンロール。

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下北沢をひととおりブラついて、DAISY BARに入る。
下北沢DAISY BARは、STROKES 、LIBERTINES、ARCTICなどのいわゆる00年代以降のモダンガレージ寄りの東京のバンドたちが連日連夜出演する下北の名物的ハコである
MIRRAZ、veni vidi vicious、andymori、クリープハイプ、WHITE ASHなど、、今では第1線で活躍したり、バンドマンの憧れとして名前が挙がるバンドたちもここで出演していた。そんなバンドたちと時代を築いてきた、映像ディレクターの加藤マニさんがこの日の転換DJとして、すでにいい具合にフロアを温めていた。今はキュソネコカミ、HELSINKI LAMBDA CLUB、THE ラブ人間など話題のバンドのMVを手掛けるインディシーンの重要人物、マニさんのDJを聴くのもやっぱここまで来なければ出会えない機会だ。
スタートの時刻になり、演出のバトンが次に渡される。
そのマニさんがずっとMVを手掛ける、NAHAVANDがこの日のオープニングアクトだ。

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先月のリリースイベントから、あまり間を置いてないためか、序盤から力強いフルスロットルで「TWO OF STRONGEST」のナンバーを次から次へ叩き込む。時折見せるブラザーフッド的なアクションも”最強の2人で切り開く"的なメッセージが胸を熱くさせる。
途中、機材トラブルがあれど、下手なMCをせず、"一旦はける"というリアムギャラガーな行動。さすが逆境でもクールだ。
ラストは「COMMUINTY」で〆る。壇上のNahavandも含め、フロアにはNOWEARMANを支え、支えられた仲間が集まっている。この曲はバンドや関係者、客とのユナイトをNahavandの視点から綴ったものであるが、それはそのままこの日の状況にも置き換えられ、感慨深くなった。オープニングアクトとしてふさわしい立ち位置から、いい具合に、次に渡すべき、沸点近くまでフロアをアゲた。

そしてこの日の本編、NOWEARMANのワンマンがスタートする。

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先に結論を言えば、この日、1時間20分あまりのステージを観て、ようやくNOWEARMANの魅力が100%理解できた。
これくらいのセットがNOWEARMANには一番ふさわしいボリュームだと思った。映画「ダークナイト」の158分が余すことなく必要であるのと同じように、これも"必要な尺"である。
というのも、NOWAERMANの楽曲は音の重なりから一見単純そうに感じられるが、実はあらゆる複合的なアプローチから成り立っている。このバンドをジャンル分けしづらいというのもそういうところにあると思う。例えばRADIOHEADの魅力を30分のライブで理解できないのと同じである。
1枚のアルバムだけリリースしているバンドのライブとしては短いとは言えない尺をまったくダレずに見れたのは、それだけドラマチックに、丁寧に、示してくれたからであろう。
前半はSICIDEのカバー(?)も含む、パンク的アプローチの曲が続く。この時間、ボクはNOWEARMANの存在を東京ロッカーズの後継者だなと感じていた。ギター、ベース、ドラムがすべて打楽器としての役割も果たし、グルーヴを形成する。かつて新宿の地でFRICTIONがやっていた事に重なったのだ。「MAN NOWEAR」には如実に現れてなかった、アヴァンギャルド・パンクの視点がやはりNOWEARMANには不可欠だったのだ。
この流れが、MVとして公開されている「STARS」を起点に、少しづつポップな方向にギアチェンジしていく。3つのパートが分散してリズム中心だったのが、パートの音が集中してメロ中心になっていく。この楽曲の移り変わりのグラデーションが非常に素晴らしかった。ラストナンバー「THROUGH THE NIGHT」はそのストレートなメッセージの歌詞も含め、感動的なエピローグでだった。
この日は昨年の「MAN NOWEAR」リリースから続く、一旦の到達点でもあり、これからのスタート地点であったと思う。この貴重な日を体験できてよかった。ANAで大阪から来る価値は十分過ぎるほどあった。
ぜひこのワンマンのセットを持って日本全国の地を回ってほしいものだ。

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プロフィール

HN:
TJ
性別:
非公開
自己紹介:
since 2008.

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