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センスの良いインディロックバンドの情報と旅先の情報を発信

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Vanilla Children@天王寺Fireloop

Fireloopに久しぶりに来てみたら、店舗が増えていた。
もう3年ぶりくらいだから知らなかったけど、旧店舗のほうをアコースティック、イベント用、新店舗のほうをメインにしていた。
「ライブハウスどこも不振!」というのが定説になってると思ってたけど、ここは別のようだ。

この日はこの2つの会場を結んで開催されるフェス形式のイベントだった。目的は久しぶりのVanilla Children。
いつ見ても満足度の高い、バニチルのライブ。だが彼らが根城としている神戸Varitはちょっと遠い。なかなかタイミングが合わず1年半の月日がたってしまった。

雨宿りもかねて早めに会場に入ると、入口突然!またもGearさんのカレーショップが!
しかしながらすでに昼食を済ませてしまっており、ごめんなさいしてそこは素通り。
13時30分という早過ぎる時間帯に配置された彼らの出番を待った。





たくさんの観客の前に現れたバニチル。メンバーチェンジはしていたものの、(シンセのメンバーが抜け、新メンバーのベースが入った。元々ベースボーカルだった辻さんがシンセに移った)
ヴィジュアル的には大きな変わり映えのない4人ではあったが、演奏された楽曲は完全に一新されていた。
圧倒的だった。ライブというかショーだった。

とにかく曲の作り込み方がかなり緻密になってた。
もう70年代感が凄まじいというか、前からあった「キミらいくつなんだ!?」っていうところが暴走してる。
前はビートルズの曲をカバーしてたり、単純なフックを置いた曲も数曲あったんだけど、もうそんな誰でも入れる、元ネタで迎合するところも無くしている。
「ん?これはもしかしてザッパ?」みたいな、ルーツを探ろうとすればマニアック過ぎてわからない。というか、ルーツを探ろうとする聴き方が間違ってるし、こういうジャンルに明るくない自分をしても、すごくかっこいいという高揚感は十分に伝わってくるのだ。
しかも、そこに往年のクラッシクロックバンドのCDを聴いたようなノスタルジックな印象ではなく、いろいろな要素の組み合わせ方、濃淡の付け方が、すごく絶妙で、ブルックリンの新しいバンドと言われれば、そうかもしれないと思わせる新鮮さもしっかりある。(MGMTの3rdで見せた実験的な構成にも通じるし、ARCADE FIRE のライブにも近いかな?とちょっと思った点から)

さらに言えば、どうやったらここまでのロックとしての高揚感を、PUNKの影響を避けてできるのか不思議だ。80年代以降のインディバンドであればどこかでPUNKの恩恵を受けて曲を作るのが当たり前となっている。というか、PUNKのフィルターを通したものが主流であり、それ以外を探すほうが到底難しい。
ROCKの王道からの直接的なアプローチをあえて外しまくってここまで創りあげている。凄い。

楽曲の刷新が加速してるせいか、演奏のマッチングが若干追いついていない部分があったが、それ以外のところが凄過ぎて全然どうでもよかった。

途中のMCで熱心に5分も費やして曲の解説をするところとか(日曜日の「題名のない音楽会」思い出した)、とにかく、バニチルが到達していたところは、関西ローカル限定で活動しているバンドとは思えないほどオリジナリティに溢れた境地であった。
「~Ⅰ」「~Ⅱ」「~Ⅲ」みたいなシリーズ曲(?)やってのけるバンドなんか今いないよ!







こんなバンドが13時30分から見れる大阪ってすごいと思った。
★★★★

Vanilla Childrenは見ておいたほうがいい。
ceroとかミツメだけが今のバンドじゃない。

TJ
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13ch@アーヴァンギルド


13ch、というかそのメンバーの横山君が所属していたナンバーワンヒットジャムというバンドと出逢ったのはもう5年前だ。そのころやっていたバンドで2度共演した。
彼らは「ナンバーワンヒットジャムです。ロックやります」と自己紹介して、すごくテンションの高い、サイケガレージロックを演奏し始めた。
もう立て続けにやる曲がかっこよくって、タンバリンをたたくだけ(1曲だけボーカルをとる)のメンバーが居たのも衝撃的だった。
曲のかっこよさもさることながら、タンバリンの人が途中のMCで「レゲエなんて聴いて音楽聴いてる気になってチャチャラしてるやつは許せねえ!」ということを、人ってこんなにも憤れるのか!と思えるような表情で言ったのが印象的だったのだ。
このレゲエとは、リースクラッチペリーみたいなダブ系ではなく、当時流行っていた"湘南の風"とかそういうものを指していたのであろう。
とにかく日常の憤りをここまで赤裸々に沸騰させながらも、結構いろんなルーツを感じさせる割と繊細なガレージロックがツボにはまった。
そのせいでテンションが上がり、飲み過ぎてしまった当時のボクは、事もあろうに、そのメンバーが楽屋に忘れていったタンバリンをベースケースにかけて、シャカシャカさせながら家に持って帰ってしまったのだ。
その日の午前3時ごろ、男性から携帯に電話がかかってきた。
「もしかして、タンバリン持ってませんか?それものすごく大事なんです!」それがナンバーワンヒットジャムのタンバリン兼ボーカリスト北村君であった。
「盗んでませんか?」という言葉が出なかったところが彼のやさしいところでもある。
それからしばらくもしないうちにナンバーワンヒットジャムは解散し、そのメンバーであった横山君が2年ほど前に結成したのが13chだ。

●13chライブは"打ち合わせ"から始まる


前置きが長くなってしまったが、13chだ。
13chは主に京都アヴァンギルドで出演している京都のバンドだ。
この日は実に3ヶ月ぶりのライブというらしく、ノルウェーのバンドと韓国のバンドとのスリーマンだった。

13chはナンバーワンヒットジャムにあったサイケガレージロックの色も少しは残しながらも、横山君をはじめとした各メンバーたちのセンスによって、築かれた、独特な空気感を持ったバンドである。結構何度が見たつもりでいるが、毎回初めてみたような新鮮さにとらわれる。

昨日のライブもその例外ではなく、決してオールドスタイルなロックンロールバンドではないのに、ロックバンドに必要な、まっすぐなカッコよさを存分に感じさせてくれるものであった。
視覚的なパフォーマンスとして、大したステージアクションも無いし、気のきいたMCもほとんど無い。サービス性の薄いステージングであるにも関わらず、49分という決して短くない時間、興味を持続させるような存在感というか、独自性のある魅力がしっかりとあった。




具体的に取り上げれば、初めて聴く曲も含むライナップが素晴らしかった。
グラスゴーのギターポップバンドを思わせるメロディアスなギターリフで構成された曲がいくつか追加され、今まであったサイケロックな曲との混ざり具合、曲毎の起承が非常に心地よく感じた。純度の高い洋楽からのインスパイアが放り込まれている上に、全編日本語詞の曲であるのもこのバンドの尖ったところである。
そしてその起伏は最終の傑作曲「Slaugter House 6」へドラマチックに消化されてた。
★★★

あまりにも心地よくて500mlのハートランドを2本やった。



ライブの後、ちょっとだけ13chのメンバーと話してたら、いい時間になってしまった。
ノルウェイのバンドの「ゴボゴボゴボ!」という怒号?にも近い歌を背に受けながらアヴァギルドの扉を出ようとすると、後ろからスーツを着た小奇麗な男から
「あの!」
と声をかけられた。
5年前のヒッピーみたいな容姿からは想像がつかない変貌をとげていて名乗ってくれなければわからなかったが、確かによくよく見てみると、5年前のあの日、ステージ上からレゲエ歌手への怒りで震えていたあの北村君だった。
久しぶりに話せたのも嬉しかったし、聞けば、新しくバンドをしているとのこと。
また彼の絶妙なタンバリンさばきと内に秘めた怒りを爆発させる瞬間が見れるであろうと思うと嬉しくなってしまって、帰りの京阪電車でも冬物語をやってしまった。

13chは近々レコーディングに入るらしく、今度こそは(?)ちゃんとした音源をリリースできそうなメドがたったとのこと。楽しみに待とうと思う。
彼らの情報はSoundcloudとtwitterだけだ。


TJ

Little kids @ 京都nano

6.07@京都nanoの続き。



今月には京都の名物イベント「感染ライブ」にも出演する、注目の新人、Little kids。
15分のあっという間のライブだった。

実のところを言えば、ライブを見てる時は「あれ?」っていまいちピンときてなくって、後で録音データを聴きながら、いろいろ探ると、なるほどこれはかなりSebadoh色が強い。ローファイと言われてたのはそういうことだったのかと、ちょっと納得。「音圧とわかりやすいメロで勝負!」みたいな邦楽ロックの耳で聴いたとしたら、おそらくこのバンドの良さは理解できない。ここわかってないと理解できない、分数の掛け算みたいなバンド。またひとつ勉強になった。
そして、そんな渋い(?)引用元でいながら日本語で歌っているところが良かった。あと、随所で独特なリフを被せるリードギターがこのバンドのオリジナリティとして出てるなあと思う。

今後、この方向性を突き進んでも、他の要素を混ぜたとしても面白くなる。次に見れる時がすごく楽しみになるようなバンドだ。
★★★

TJ

プロフィール

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TJ
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非公開
自己紹介:
since 2008.

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BEST WORKS.

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