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THIS IS THIS@HOKAGE


昨日はTHIS IS THISの主催イベントを見にHOKAGEに行った。

THIS IS THISは80年代DCハードコアの代表格<FUGAZI>や、そのDCハードコアの重要レーベルDISCHORD RECRODSの<Q and Not U>から影響を受けているという、4人組のポストハードコアバンドだ。
プロフィールやライブ予定を参照できるようなホームページは無いが(かなり良いバンドだけにこれは実に惜しい)、4曲のDEMOをアップしているMY SPACEhttp://www.myspace.com/thisisthisitisitではヒリヒリするリアリティを感じ取る曲を聴くことができる。日本語で歌っていることもあり、札幌出身のオルタナティヴバンド、ビヨンド、カウパァズ、キウイロール、NHATあたりの、FUGAZIから直接影響を受けているほうにかなり近い印象を受ける。
DCハードコア(ポストハードコアとも言える)と言えば、ちょっと前に流行った「ポストロック」もそこから派生されたと言われており、時代的にもそっちのほうが近いが、野暮ったさと地に足をつけたようなリアリティさという面で、THIS IS THISは先に挙げた90年代に活躍したオルタナティヴバンドにかなり近い印象がある。

THIS IS THIS からは以前ここで書いたライブレポートの件のメールを、1月くらいにいただいていた。
その中にこの主催イベントの旨も書いてあった。5ヶ月も前だというのに、すでに会場も出演バンドも全て決定しており、イベントへの意気込みが感じられた。事前に出演バンドの音源をネット上で聴いたが、いずれもどこかでTHIS IS THISの趣向に繋がるような要素を持ったかっこいいバンドばかりがセレクトされていた。
当日フロアには彼らの周到さに共鳴したであろう人たちでいっぱいだった。それもただ「楽しもう」と言ったパーティイベントというよりも、「何かを発信したい」という事を探るような、観客にとっても高揚感を促すような、ちょうど良い緊張感があった。

主催であるにも関わらず、THIS IS THISの出演は1バンド目。およびこの日は8バンドも出演するため、
16時とかなり早い。



彼らはライブ活動をたくさんするバンドではないが(1年のうちに3回程度)、ライブは音源をかなり上回って、相当にかっこいい。
音源ではボーカルに強いディストーションがかけられ、全体的にも加工された音像で無機質さを出しているが、ライブでは逆に生っぽい音で演奏される。これが音源のイメージを良い意味で覆してて良いのだ。さらにボーカルの声質もエフェクト無しでもかなりかっこよくって非常に魅力的である。
THIS IS THISの楽曲はすべてリズミカルであるが、「ジャルダン」という曲は<Q and Not U>の要素も強く感じさせる、よりリズミカルなリフが印象的な傑作曲だ。ライブはこの曲を頂点に、高揚感を煽ってくれる。
5曲を潔く演奏し終わり、もの足りなさを引きずりながらも終了。

★★★★★





もうひとつ続けて見たのが、滋賀の「noeye」。
THIS IS THISのように、ポストハードコアからの影響も感じさせるパンクバンドだ。
スピード感があり、歯切れの悪い終わり方がなんともかっこよかった!





この2バンドでかなり満足したし、用事があったためここで帰った。

いろいろ書いたが、実は、ボクはこういうポストハードコアのバンドは洋楽、邦楽含めてあまり知らない。
去年THIS IS THISを観に行った時も、その辺の事情としうか、文脈を理解していなかったため、感情的な楽しみ方しかできなかったけど(それでもかなり楽しいけど)今回もやっぱり知見は甘かった。
というのも、特に00年代以降からどんどん出てきた先に挙げていた「ポストロック」や「エモコア」の、メロディや装ったようなシリアスさがどうも好きになれず、一色多に毛嫌いしていて、距離をとってしまっていた。でも今回、THIS IS THISを通じていろいろ調べたら、しっかりとパンクからの文脈を受け着いたバンドがちゃんとあることを知った。
特に彼らが影響を受けているとして挙げている<Q and Not U>なんかは初めて知ったんだけど、曲の構成とかがめちゃめちゃかっこいい。この辺をある程度なぞってから彼らのライブを見るとまた違うんだろうなあと思った。

ロックも映画もそうだと思うんだけど、文脈を知ってるからこそ得られる感動というのもある。
(逆に何にも知らないから得られる感動もある)

見たことがない新しい場所へ行けるであろう、新しい道を見つけた感覚。こういうことがあるのだから、どんどん現場に足を運びながらも、知見を広げなければいけないなあと思う。

TJ
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The Foglands @ 心斎橋HOKAGE


茶屋町タワーで「MORE LIGHT」を買った後は、
TheFoglandsを見る目的で、すごく久しぶりに心斎橋HOKAGEに行ってきた。

▼イントロダクション(心斎橋HOKAGEという場所)

ここはライブハウスとバーがセパレートになってる(地下1階と地下2階に分かれてる)ところと、
あとドリンクが安い(生ビールが380円)のが良い。
フロアに入ると、すご~く気だるくって、いなたい、ロック的なケミストリーは一切起きそうもない、
この独特な、ダウナーな虚無感が漂う。これも以前と変わりなかった。かつて武田鉄矢は「思えば遠くに来たもんだ」と歌ったが、本日は「思えばHOKAGEに来たもんだ」という具合か。地上とはまったくの異世界だ。

さらに、HOKAGEといえばこういう光景だ。
ステージ(というよりはフロアライブなのですぐそこ)に目を向けると、19歳くらいのギターボーカルと同じ歳くらいのドラム、そして40歳くらいのベーシストというスリーピースバンドが演奏中だ。
さっきから感じさせる違和感は年齢が云々ということではなく、テクニックの差だ。ベースがもの凄くテクニカルなのだ。しかも音も程良くドライブを効かせたりして、ブンブン太い。まるで30年くらい続けてきたベテランバンドのごとく上手い。一方、他2名の演奏は「この前楽器買いました」というようなフレッシュさ。2人は一生懸命に楽器を演奏するが、いかんせんテクニックだけではなく音作りも未熟なため音は細く、フロアではベースの音だけが気持ちよく響く。そんな3人が演奏する曲はフジファブリックみたいなダンスロック調だ。しかもメロもリズムもこんなにベースが引っ張るバンドもめったにいないものだ。
「最後の曲になりました。また機会があればここで演奏することもあると思いますので、観に来てください。ありがとうございました」とベースの方が最後のMCをする。演奏に限らずMCも落ち着いていて上手だ。
すぐに曲に入れば良いものを、ギター・ボーカルの男子は長らくチューニングを続けている。
永年バンドをしてきたであろうベースの方は思わず(しかも優しく)言ってしまう。

「・・・またチューニングしてるのかい?」

これがHOKAGEである。最後の曲を聴きながら苦い生ビールを口に流す。
さて次はThe Foglandsだ。



▼The Foglands

The Hoglandsの演奏曲は前回の京都nano(前回のレビュー)とまったく同じだった。
ライブを目の当たりにした時に感じた好きな感じもそのままだった。
それと今日のほうが楽しそうに演奏していた。「演奏する楽しさ」が伝わるバンドは観ていても楽しい。

1曲目に演奏された「Leisuredman Or Gentleman」はリードギターのリフから組み立てられた
リズミカルでスピード感のある、彼らの看板曲だ。品を持たせたギターのアンサンブルとサウンドがMODSっぽさを感じさせてくれる。
この調子で後の曲も続いていく。
純度が高い、トラッドなUKを感じさせてくれるところがこのバンドの特徴だ。
最後の曲は5分くらいあるいろんな展開の曲。サビのメロディが最近の007シリーズの主題歌に似ていて(いつも使われるメロ)、スケールの大きさを感じさせた。
彼らの曲は例えばフランツを目指すバンドのようにわかりやすい派手さというよりは、
例えばオーシャンカラーシーンとかMILES KANEのように伝統的なブリティッシュロックのテイストが散りばめられている点であろう。エールビールが飲めるブリティシュパブが似合いそうだ。



The Foglandsの演奏が終わると、薄めにBGMが流れ出す。
バンドのパフォーマンス単体では熱いものだったが、その熱量はいかんせんHOKAGEのダウナーな空間へ一瞬に飲み込まれてしまった。フロアに居る人も増えも減りもしないので次のバンドがあるかどうかも良く分からない。(もともと深夜のコンビニくらいの人数だった)とりあえず生ビールのジョッキをバーカウンターへ戻しに行く。

カウンターの奥に楽屋があり、そこでThe Foglandsのメンバーと少し話して帰った。

※こんな事書いてますが、HOKAGEは1人で行っても自分の時間が過ごしやすいし、
 音も照明も実はかっこいいところなので好きなハコです。

 
TJ

The Foglands@京都nano


昨日は久しぶりにお金払ってもいいと思える新人バンドのライブが見れた!

京都のThe Foglands。(おそらく)2012年末に活動にスタートしているUK MODERN GARAGE ROCK バンドだ。
00s後半以降のUKロック、ピートドハーティのソロ、リトルバーリー、アークティックモンキーズ(2ndまで)
あたりが近いかな。そういうバンドは確かにローカルバンドでも多いけど、このバンドは曲調の幅もあって
アレンジ力がある。確かに曲のフックとして「まんま?」っていうリフは出てくるんだけど、でも全体的に
完成度の高い構成の曲になってる。UK ROCKのエッセンスだけ真似してるようじゃなくってちゃんと真は追及してると思う。
演奏の腕もそれなりにはあるし。信じられるバンドだと思う。




京都nanoに行った。
前回来た時は2年くらい前か。セカンドロイヤルのイベントでHOTEL MEXICOとFRIENDS(現・TEEN RUNNINGS)を見に行ったのだ。オープニングで楽しそうに口口口をかけていた亮太さんを思い出す。

久しぶりにnanoは入口が改装されてて、追加された入口のエントランスは蛍光灯が強くて、学習塾みたいだった。
フロアはかなり狭い。出演者がフロアに集まったらそれだけで3分の2くらい埋まってしまう。
でもここは出音が良いし、ビールが生ビールなので。さすが京都のライブハウス。基本的なところは良い。

THE Foglandsは1番目だったので時間は18時。
オープニングはSound cloudにも公開されている「Leisuredman Or Gentleman」。
リフが印象的で彼らの曲の中でも最もキャッチャーな曲だ。
LIBERTINESを思わせる曲調でもあり、歌詞の中に”She's from the arkadia"という言葉が出てくるところをとると、
オマージュソングでもあるのだろうかと想像させる。
2曲目は変調子のギターリフと4つ打ち、と書くとアークティックでしょ?ってなるけど、
整頓されたダンサブルさというよりはロック的な高揚感を狙ってるところがあって、「ああそっちのほうだったら許せる!」
と素直にノリを任せさられる。
3曲目はボーカルがグレッチからアコギに持ち替える。歌メロもちょっと変って、例えて言うなら、JAKE Bugとかピートドハーティのソロみたいなフォーク&ブルースロックだ。これもメロディがキャッチャーで素直にかっこいい。
気の弱そうなMCも好感が持てた。
その後もバラードがあったり、またロックンロールな曲があったり。全体的に楽しめた。
特にオープニング3曲が秀逸だった。



MCで「今日からCDも売ってます」と言ってたのに、ライブ後、すごすご楽屋に戻ろうとした、
メンバーの1人を強引に引きとめてCDを購入した。
3曲入り¥300。でもこれ、ちゃんとプレスしてあって、結構しっかりした歌詞カードまでついてる。
確実に原価割れしてると思うんだけど大丈夫なんだろうか。と思わせるサービス品。




まだスタートしたばっかりのバンドだということで、演奏が若干まとまらないところもあるけど、
そこはインディーバンドの良さっていうことで、と許容できるUK ROCK好きには絶対に楽しめるバンドだと思う!
ラフトレードショップのプレライブみたいな体験はできる。
★★★☆

彼らの情報はSound cloudのあがってる3曲とYOUTBEにあがっているライブ映像。

YOUTBEのほうは難波メレが撮影したものでかなり映像の質もビジュアルも悪い(無い方が良いくらい)。
これは見ない方がよい。(実際にライブ見に行く前にこれを先に見てしまい、ほんとに行こうかどうか迷った)。

SoundCloudは"音源”を意識したのか、若干爽やかな路線でちょっとおとなしめだ。
ライブを見た印象はもっと迫力があってロック色が強い。

ということでThe Foglandsは実際にライブを見たほうがよさそうです。
近々では京都のGROWLYとか難波メレに出るそうです。

TJ

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since 2008.

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