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グライダーズ@難波メレ


今回は私の個人的な思い出が大半のレビューです。



「新しいバンドをはじめました。ライブがありますので、よければ観に来てください (以下日程)」

THE LUNGPENGSのギタールンペン改め、和田君から久しぶりにライブの招待メールが届いた。
和田君とはもう6年くらいの長い付き合いだ。

はじめて会ったのは今は亡き、アメ村にあったPIPE69というライブハウスだ。
客なんか全然来ないライブハウスの、客なんか全然来ない水曜か木曜なんていう日に、
当時、JERRY BERRY というバンドと対バンした。
楽屋に入ると、煙草の灰でまみれた汚れたテーブルに、JERRY BERRYの面々が車座になって楽しそうに話をしていた。
その輪の中心でローリングストーンズなりTHE WHOがどれだけかっこいいか、という話をギターでリフを奏でながら一番楽しそうに話してたのがJERRY BERRYのメンバーであった和田君だった。
それを見た時、ボクはすごく救われた気分になった。
というのも、ロックの話を楽しそうにしているバンドマンを初めてみたからだ。
信じられないかもしれないが、ボクはその日までに何年かバンドをしていたが、対バンで出会うほとんどのバンドマン、ライブハウスのスタッフは"バンド"の話をしていて、""ロック"の話をしているバンドマンに会ったことがなかった。
ということで、JERRY BERRYとはかなり通じるものを感じて、お互い意気投合してライブが終わった後に打上げに行った。
信じられないことに、対バンの人たちと一緒に飲みに行くことも、ちゃんと話すのも、初めてだった。
お互いの酷い演奏や酷い曲を賛美しあったり、好きなバンドについて語り合ったり、偉そうにライブハウスのグチを言ったり、お互いのバンドの夢を語り合ったり、、、すごく楽しかったあの数時間は今でも覚えている。

その1年後、JERRY BERRYは解散した。
和田君はボクがいたバンドに数カ月だけ加入したが、ある練習の日に「別のバンドでやりたい」という告白をし、
脱退した。それから和田君のバンドを見行ったり、和田君がボクのバンドを見に来たり、その時は酔っ払ったり、「和田君!落ちてるポテト食べちゃだめだよ!」みたいな話をしたり、よく2人で吉野家に行ったりした。

和田君のライブを観に行った時はボクを含めて3人くらいしかいないライブがあったり、逆に和田君が観に来てくれた時に、和田君しか客がいない時もあった。まさに「客が2人の演芸場」状態だった。ライブが無い日は酔っ払って夜中に電話かけたり、和田君のバンドのCDを作ったり、また一緒にバンドをしたりというのをしてきた。

ボクがBRITISH PAVILIONのブッキングをしていた頃、1度だけ遊びに来てくれたことがあった。「クラブなんて初めてなんですよ!」と最初は楽しみにしてくれていたが、早い時間にかかっていたグローファイ系楽曲の連投に対して、「テクノわからないです」と言って、"大盛り唐揚げ弁当"を楽屋でたいらげて帰っていった。
気の毒な思いをさせてしまったが、来てくれたのは嬉しかった。

そうやって度々会ってきたが、ボクも和田君もバンドが止まってしまい、ここ1年くらいは音沙汰がなかった。
そして、つい数週間前前述の招待メールが来た。
「ベタな宣伝メールだなあ。でも行く予定はしてるよ」という皮肉も込めた祝福の返信を返した。

そして、久しぶりにJERRY BERRYのCD-Rを引っ張り出して聞いた。
JERRY BERRYの楽曲は言ってみれば、ほぼ5割くらいがハイロウズで、それにTHE CLASHだったり、THE WHOだったり、ローリングストーンズだったりのテイストが混ざったパンクロックだ。
しかしいつ聴いても下手くそな演奏でひどい録音の音源だ。
いくら一発録りだとしてもここまで酷くなるかね。
でもそれ以上に、悔しいくらいに楽しそうに演奏している空気が溢れている。
あの時、ボクは何に魅かれたのか、思い出した。

この日の難波メレのイベントはGASOLINEとアントニオスリーという四日市の重鎮ガレージバンドが出演ということで、
OAのグライダースの時間でもお客さんが結構いた。
このグライダーズというが和田君の新しいバンドだ。

そして、18時になり、客電が落ちる。
ステージ上に出てきたのはJERRY BERRYだった。

例えではなく、目の前に現れたのはジェリーベリーの初期メンバーたちだった。
つまり、バンド名こそ違えど、ほぼ再結成なのだ。
しかし、当時あまりにも無名だったJERRY BERRYを知る人はこのフロアにはボクくらいしかいないらしく、
「おおー!」という歓声は沸き起こらず、"新人バンド"の初ライブということでライブはスタートした。
そして演奏されるのはあの当時と一緒の、下手くそで荒削りだが、楽しさと情熱で溢れた曲の数々。
(とはいえ、彼らの6年あまりのキャリアが垣間見れるような、いろんなテイストのミックスは感じられた)
この日のトリであろう、ベテランのGASOLINEとはおおよそかけ離れた音楽性であったが、
お客さんの受けは結構よかった。

和田君はここに来て、またこのスタート地点に戻ってきた。
またゼロからはじめようという意思の表明だった。

彼がJERRY BERRY時代に作った曲の歌詞、
「オレにはわかるぜ ロックンロールは死なない」
その続きを走ろうとしている。

★★









一緒に出演していたシガーズもライブを見るのは久しぶりだった。
シガーズは戦国大統領というライブハウスを拠点に活動している。
曲のほうはよくわからないものだったが、ベースの方がなぜか電撃ネットワークの南部虎弾と同じ髪型になっていてワウワウ!叫んでいた。




TJ
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NOKIES! presents COUNT COUNT COUNT Vol.2 (完結編)


すでに開催日から1週間がたってしまい、記憶もあいまいですが、
続きを書きます。






THE CIGAVETTESはインディーなのかどうかわからないので、
とりあえず、顔はわからないように撮影しました。

ライブはかなり良かった!
まず出音はCD音源に収まっているあのUK ROCKな作りこんだ音像を再現に注力してる。
特にライブの音であそこまでボーカルのコーラスが再現できるとは思わなかった。

そしてギターパート2人をはじめとした他のパートとのバランス感が本当に絶妙。これぞ"プロフェッショナル"という音だ。
でもステージ上では完全にロックンロールバンドで熱いアクションを見せてくれる。
特にボーカル山本政幸氏の九州男児感溢れるツイストダンスがステージ上を良い感じに華々しくさせる。
THE CIGAVETTESの曲調はモッズだったり、ギターロックだったり、パワーポップだったり、メロディアスなギターものが多い。それに原色のロックンロールを被せてくるズルさったら無い。

そして、随所に差し込んでくるユーモアさ。フォロワーが居るということで、歌詞の間にveni vedi vicious「cosmo」を入れてくる。しかも曲を知ってる人しかわからないような薄い被せ方で。カバーで「teenage kick」だったり、[Ever fallen in love]なんていう70年代パンクの名曲を入れてくる。しかも彼らのオリジナル曲との親和性が良くって、こんなにカバー曲がしっくり来るバンドも珍しい。
ということで、ロックバンドかくあるべきと言った風格でパフォーマンスを見せてくれたTHE CIGAVETTES。
いやー、残っていて良かった。
★★★★☆



この日のオーガナイザーであるNOKIES!
さすがにフロアにお客さんはたくさん入っていた。
彼らのライブを見るのは1年くらいのブランクがあったけど、ボクが知ってる頃のFOALSとかみたいな、
いわゆる跳ねる系のダンスロックな曲調とはまた違うものになっていた。
今では彼らの代表曲になっている「OSLO」を中心にしてエモーショナルでサイケデリックな、
例えればスクリーマデリカやSECOND COMING のような方向ではないだろうか。(ボクの勝手な印象)
彼らの目指すものは変化していた。
個人的に言えば、自分たちのスタイルを進化させることを諦めてたり、妥協でごまかしているバンドは観る価値が無いと思ってる。
反して、自分たちのスタイルに悩みながら進んでいるバンドは見応えがある。
その時の自分たちのリアルタイムの姿をそのまま見せているバンドは独特の緊張感を持っていると思う。
ボクの知っている範囲でも彼らは幾度も曲のスタイルを変化させている。
そしてその度にフォロワーを拡充させてきた。今後のNOKIES!の進路が楽しみだ。
★★★

次回、NOKIES!オーガナイズのCOUNT COUNT COUNTは3/31(土)に開催。
会場はクラッパーなんで、「再入場禁止」ルールは無いかな?
なんと新しい音源も製作中というmonochrome chocolateが出演!
NOKIES!とはこの1月に共演してそのままイベントへの誘いを出したとのこと。
ピョンピョンとジャンプして、最後はクラッパー楽屋側に転がっていく吉久さんの姿が脳裏に浮かびます。

TJ

NOKIES! presents COUNT COUNT COUNT Vol.2 (その2)

<前回のあらすじ>
Nahavand新譜についてマニ監督の完璧すぎるレビューに触発されて"B誌"とNahavandのBeefにユーモアで参戦しようと試みたものの、結局は週刊ファイト(大阪の名門プロレス誌)寄りの三文文章で、「19時以降、再入場禁止」の張り紙に対して腹が減ってもBeef bowl(牛丼)すらも"サンキューマルゲット"できなかった怒りをぶつけてしまったという前回文。今なお続いているBeef合戦に全く参戦できていないのは言うまでも無く、例えていうならば、ミッチー、サッチー騒動における十勝花子的なスタンスである。

※なお、新日本プロレス、ターザン山本関連や山塚アイについてのBeefは当方で受け付けることができません。

*********************

ということで、いろんなことを巻き込みながらも盛況だったNahavandの後は、
彼らの盟友、empty pageが壇上に上がった。



empty pageの事は「AFTER YOU」をMX中の時期だったかに宮内君に教えてもらった。
それからは彼らのEPをいろんなところで聴いた。
昨年、大阪ーロンドン間の12時間の飛行機の中で何度もempty pageのEP盤をリピートしていた。
そしてロンドンの街中でも。パブやライブハウスがいっぱいあるキングスロード、リバティーンズが自分たちのCDを万引きしたHMVやパンクの象徴100clubなんかもあるオックスフォードストリート・・・他いろんなところ。
頭の中に情景がうかぶ叙情的な歌詞、ソリッドな演奏、印象的な声。UKのバンド以上に"UKの空気感"を歌いあげるempty pageの曲はこれらの風景に実に合うのだ。
(そしてなんとこのEPが¥200。コストパフォーマンスが高すぎ)

その曲を、ロンドンの綺麗な風景とは間逆な大阪に届けに、彼らは東京から夜行バスで約12時間かけてやって来てくれた。もちろん大歓迎だ。
12時間後に降りたった大阪の街は「スリリングで面白い」と語るのはボーカル&ギターのリュウショウ氏。
ジャケットと同じT-シャツでステージに立っていた。
彼の声は非常に特徴的でかっこいい。低音でセクシャルだ。
そんな声で1番目に歌いだしたのは、EPに入っていないスローでメローな未発表曲。これで沸点をためる。
そしてさらに、これも未発表曲のハイテンポな曲に移り加速すると、
EPの1曲目「See You Agein」が始まる。
舞台の幕が開いたようなこのにくい演出!
ドラマチックさに対する感動は彼らの音源をずっと体験してきた人ならわかると思う。



というか、そんなグルーピーのような境地に来るまでempty pageにハマっていた自分に驚く。
完全に自分の琴線に触れまくってるempty pageに対して、客観的な批評はもはやできない。

ステージ上の自然な振舞い方もクールでかっこよかった。未発表曲は歌詞を見てみたい。

★★★★☆



最高のライブを終えたempty page、1分後には全員が物販のブースに居た。(この姿勢も素晴らしい)
そこにNahavandの2人が合流し、お互いを讃えあう。

この2バンドが東西のロックシーンを立て直してくれるのを願おう。
この2バンドの共演を観れただけでも大満足だ。来てよかった。

時計を見ると、時刻は「18:57」
目の前の"BI砲”の師匠格にあたるTHE CIGAVETTESの出演時間はおそらく約4時間後。
例の監禁タイムがすぐそばにやってきていた。

つづく

TJ

プロフィール

HN:
TJ
性別:
非公開
自己紹介:
since 2008.

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