カウンター Super Real Rock Magazine 忍者ブログ

Super Real Rock Magazine

センスの良いインディロックバンドの情報と旅先の情報を発信

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Vanilla Children@天王寺Fireloop

Fireloopに久しぶりに来てみたら、店舗が増えていた。
もう3年ぶりくらいだから知らなかったけど、旧店舗のほうをアコースティック、イベント用、新店舗のほうをメインにしていた。
「ライブハウスどこも不振!」というのが定説になってると思ってたけど、ここは別のようだ。

この日はこの2つの会場を結んで開催されるフェス形式のイベントだった。目的は久しぶりのVanilla Children。
いつ見ても満足度の高い、バニチルのライブ。だが彼らが根城としている神戸Varitはちょっと遠い。なかなかタイミングが合わず1年半の月日がたってしまった。

雨宿りもかねて早めに会場に入ると、入口突然!またもGearさんのカレーショップが!
しかしながらすでに昼食を済ませてしまっており、ごめんなさいしてそこは素通り。
13時30分という早過ぎる時間帯に配置された彼らの出番を待った。





たくさんの観客の前に現れたバニチル。メンバーチェンジはしていたものの、(シンセのメンバーが抜け、新メンバーのベースが入った。元々ベースボーカルだった辻さんがシンセに移った)
ヴィジュアル的には大きな変わり映えのない4人ではあったが、演奏された楽曲は完全に一新されていた。
圧倒的だった。ライブというかショーだった。

とにかく曲の作り込み方がかなり緻密になってた。
もう70年代感が凄まじいというか、前からあった「キミらいくつなんだ!?」っていうところが暴走してる。
前はビートルズの曲をカバーしてたり、単純なフックを置いた曲も数曲あったんだけど、もうそんな誰でも入れる、元ネタで迎合するところも無くしている。
「ん?これはもしかしてザッパ?」みたいな、ルーツを探ろうとすればマニアック過ぎてわからない。というか、ルーツを探ろうとする聴き方が間違ってるし、こういうジャンルに明るくない自分をしても、すごくかっこいいという高揚感は十分に伝わってくるのだ。
しかも、そこに往年のクラッシクロックバンドのCDを聴いたようなノスタルジックな印象ではなく、いろいろな要素の組み合わせ方、濃淡の付け方が、すごく絶妙で、ブルックリンの新しいバンドと言われれば、そうかもしれないと思わせる新鮮さもしっかりある。(MGMTの3rdで見せた実験的な構成にも通じるし、ARCADE FIRE のライブにも近いかな?とちょっと思った点から)

さらに言えば、どうやったらここまでのロックとしての高揚感を、PUNKの影響を避けてできるのか不思議だ。80年代以降のインディバンドであればどこかでPUNKの恩恵を受けて曲を作るのが当たり前となっている。というか、PUNKのフィルターを通したものが主流であり、それ以外を探すほうが到底難しい。
ROCKの王道からの直接的なアプローチをあえて外しまくってここまで創りあげている。凄い。

楽曲の刷新が加速してるせいか、演奏のマッチングが若干追いついていない部分があったが、それ以外のところが凄過ぎて全然どうでもよかった。

途中のMCで熱心に5分も費やして曲の解説をするところとか(日曜日の「題名のない音楽会」思い出した)、とにかく、バニチルが到達していたところは、関西ローカル限定で活動しているバンドとは思えないほどオリジナリティに溢れた境地であった。
「~Ⅰ」「~Ⅱ」「~Ⅲ」みたいなシリーズ曲(?)やってのけるバンドなんか今いないよ!







こんなバンドが13時30分から見れる大阪ってすごいと思った。
★★★★

Vanilla Childrenは見ておいたほうがいい。
ceroとかミツメだけが今のバンドじゃない。

TJ
PR

13ch@アーヴァンギルド


13ch、というかそのメンバーの横山君が所属していたナンバーワンヒットジャムというバンドと出逢ったのはもう5年前だ。そのころやっていたバンドで2度共演した。
彼らは「ナンバーワンヒットジャムです。ロックやります」と自己紹介して、すごくテンションの高い、サイケガレージロックを演奏し始めた。
もう立て続けにやる曲がかっこよくって、タンバリンをたたくだけ(1曲だけボーカルをとる)のメンバーが居たのも衝撃的だった。
曲のかっこよさもさることながら、タンバリンの人が途中のMCで「レゲエなんて聴いて音楽聴いてる気になってチャチャラしてるやつは許せねえ!」ということを、人ってこんなにも憤れるのか!と思えるような表情で言ったのが印象的だったのだ。
このレゲエとは、リースクラッチペリーみたいなダブ系ではなく、当時流行っていた"湘南の風"とかそういうものを指していたのであろう。
とにかく日常の憤りをここまで赤裸々に沸騰させながらも、結構いろんなルーツを感じさせる割と繊細なガレージロックがツボにはまった。
そのせいでテンションが上がり、飲み過ぎてしまった当時のボクは、事もあろうに、そのメンバーが楽屋に忘れていったタンバリンをベースケースにかけて、シャカシャカさせながら家に持って帰ってしまったのだ。
その日の午前3時ごろ、男性から携帯に電話がかかってきた。
「もしかして、タンバリン持ってませんか?それものすごく大事なんです!」それがナンバーワンヒットジャムのタンバリン兼ボーカリスト北村君であった。
「盗んでませんか?」という言葉が出なかったところが彼のやさしいところでもある。
それからしばらくもしないうちにナンバーワンヒットジャムは解散し、そのメンバーであった横山君が2年ほど前に結成したのが13chだ。

●13chライブは"打ち合わせ"から始まる


前置きが長くなってしまったが、13chだ。
13chは主に京都アヴァンギルドで出演している京都のバンドだ。
この日は実に3ヶ月ぶりのライブというらしく、ノルウェーのバンドと韓国のバンドとのスリーマンだった。

13chはナンバーワンヒットジャムにあったサイケガレージロックの色も少しは残しながらも、横山君をはじめとした各メンバーたちのセンスによって、築かれた、独特な空気感を持ったバンドである。結構何度が見たつもりでいるが、毎回初めてみたような新鮮さにとらわれる。

昨日のライブもその例外ではなく、決してオールドスタイルなロックンロールバンドではないのに、ロックバンドに必要な、まっすぐなカッコよさを存分に感じさせてくれるものであった。
視覚的なパフォーマンスとして、大したステージアクションも無いし、気のきいたMCもほとんど無い。サービス性の薄いステージングであるにも関わらず、49分という決して短くない時間、興味を持続させるような存在感というか、独自性のある魅力がしっかりとあった。




具体的に取り上げれば、初めて聴く曲も含むライナップが素晴らしかった。
グラスゴーのギターポップバンドを思わせるメロディアスなギターリフで構成された曲がいくつか追加され、今まであったサイケロックな曲との混ざり具合、曲毎の起承が非常に心地よく感じた。純度の高い洋楽からのインスパイアが放り込まれている上に、全編日本語詞の曲であるのもこのバンドの尖ったところである。
そしてその起伏は最終の傑作曲「Slaugter House 6」へドラマチックに消化されてた。
★★★

あまりにも心地よくて500mlのハートランドを2本やった。



ライブの後、ちょっとだけ13chのメンバーと話してたら、いい時間になってしまった。
ノルウェイのバンドの「ゴボゴボゴボ!」という怒号?にも近い歌を背に受けながらアヴァギルドの扉を出ようとすると、後ろからスーツを着た小奇麗な男から
「あの!」
と声をかけられた。
5年前のヒッピーみたいな容姿からは想像がつかない変貌をとげていて名乗ってくれなければわからなかったが、確かによくよく見てみると、5年前のあの日、ステージ上からレゲエ歌手への怒りで震えていたあの北村君だった。
久しぶりに話せたのも嬉しかったし、聞けば、新しくバンドをしているとのこと。
また彼の絶妙なタンバリンさばきと内に秘めた怒りを爆発させる瞬間が見れるであろうと思うと嬉しくなってしまって、帰りの京阪電車でも冬物語をやってしまった。

13chは近々レコーディングに入るらしく、今度こそは(?)ちゃんとした音源をリリースできそうなメドがたったとのこと。楽しみに待とうと思う。
彼らの情報はSoundcloudとtwitterだけだ。


TJ

グライダーズ @ 難波メレ(やりなおし)

・・・ということを書いたのが、メレで缶ビールを飲んで酔い気分になって書いた恥文だ。
なにを根拠に、何を理由にこんな偉そうなことを書いたのか?だいたいグライダーズがまったく登場しないではないか。
もしあの文章を早朝にでも読んで気分を害された方がいたら大変申し訳ありません。

ということで仕切り直し。

久しぶりに和田君からライブの招待メールが来て、グライダーズのライブを観に行った。

グライダーズは2010年ごろwhiteknifeというバンドを一緒にしたりもしていた、いわばバンドメイトの、和田君が今年に入って新たに結成したバンドだ。
グライダーズのライブを観るのは初ライブ以来で7カ月ぶりだったし、加えてそのライブ会場である難波meleに行くのも楽しみだった。

難波メレは相変わらず、というか前より増してはなくまゆうさく氏のキャラクターものの装飾がそこらじゅうに置いてあり、そのファンシーさに反して、ものすごくタバコ臭いホール内の空気も昔のままだった。

さて、この日赴くにあたっては、いつものように予習(ネットにあがってる曲でジャッジ)をするのだが、JOY OR PAIN http://www.audioleaf.com/joyorpain/ というバンドの音源がいかにもメレっぽい、特にメロディの運び方とか、THE MODSとかライダース、スタークラブみたいな80年代のやるせない男気ロック的な雰囲気を出していたので、せっかくなんで、このバンドの出演時間に間に合うように出向く。

JOY OR PAINは服装も曲も、もろランシドフォロワーなところがあるんだけど、大味なところばかりじゃなくって、シンプルなスネアの入れ方とかソロギターに入った時の音色の使い方とか、フォローに愛を感じられて良かった。
特に音源でもアップされてる「NO FUN」という曲の歌詞は「飲み足りないビール 遊び足りないキッズ」というくだりが、ものすごく80年代の情景を現している。
今のキッズはビールを飲まない。ビールを、というかあまりお酒を飲まない。
これは「竜二」で金子正次がグラスに注ぐアサヒビールだったり、「チ・ン・ピ・ラ」 に出てくる柴田恭平が飲み干すツボルクビールの世界。もしくは中森明夫の「東京トンガリキッズ」に登場するパンク好きの少年の話であり、21世紀になった今からすれば「ネオ東京」に属するであろうフィクションである。
ただしかし、実は根っからの80年代インディパンクファン(後乗りDOLL読者)の自分からすれば、それこそビールを飲まないキッズのバンドが演奏する表面だけのポストパンクよりもこっちのほうが80年代的だと感じる。




後半になぜか2曲連続で披露していたオリジナルパンクバンドのカバー曲はあまり良いとは思えなかったが、作曲センスに妙な哀愁を持った良いバンドだと思う。
★★

そのJOY OR PAINを見ている最中、一際気になる怪しい風態の男の視線を感じていた。
カラシニコフやトカレフを横流ししてそうな、入国審査で絶対止められて1時間くらいは尋問を受けるであろう"アジア的に危険な人物"。人を殺してもなんとも思わないようなゴルゴ的なハードボイルドさを放つ男。あれ?上海かマニラかの夜の裏道で見たことあるような・・なんでこんなところに居るんだろうと。良く見たらそれはグライダーズ用にファッショナブルな衣装に身をつつんだ和田君だった。
和田君については前回かなり思い出話を書いたので割愛するとして、
http://ukrocknite.blog.shinobi.jp/gig%20---reports/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BA-%E9%9B%A3%E6%B3%A2%E3%83%A1%E3%83%AC

7ヶ月前には平日の午前中からパチンコ屋に並んでいるような、おじゃまんが山田くんの大学生みたいなダウナーな"負け組ファッション"で決めていた3人だったが、衣装を揃えて見違えるようにファッショナブルになっていた!
さらにグライダーズがステップアップしていたのは見た目だけではなく、7ヶ月前には、それこそ場末のパチンコ屋の冴えないじゃらじゃら音のようにマッチしてなかった演奏ではあったが、その頃とはまるで別人物たちのように、ガチっと決まった演奏と、作りこんだ後が随所に見られる完成度の高い楽曲を連発していた。
大したMCがなった26分(和田君が台湾語でしゃべるMCはあったけど)すごくエキサイティングだった!





元・バンドメイトだったというのを抜きにしても、かなりかっこいいバンドに仕上がっていたと思う。
今いるところから少しでも先に進めたいという意欲を存分に感じるライブだった。映画館じゃなくてライブハウスに来てよかったと思わせるライブだった。
★★★

グライダーズが終わった後に「細いタイにベースボーカル?君たちはこれでしょ!」って有無も言わさない烙印のようにTHE JAM のIN THE CITYがけたたましく鳴っていたところも含めて、「この雑なBGM!メレいいなあ!」って思って2本目のハイネケンを飲んだのだった。

TJ

プロフィール

HN:
TJ
性別:
非公開
自己紹介:
since 2008.

センスの良いインディ・ロックバンドと旅先の情報を発信。
-----------------------------------------
BEST WORKS.

→MV Dir :https://www.youtube.com/...
→Article :
https://belongmedia.net/tag/tj/...
→SOUND ENG:
https://www.youtube.com/...

ブログ内検索